僕が生きる意味って何だろう

祐里葉

人は、どこから来て、どこへ行くのか?

ずっと考えていたことがある。


それは、人類にとって永遠の命題であり、今だ解けない問いである。


人は、どこから来て、どこへ行くのか?


僕は、一体、何を成したいのか?


いつも考えている。ふとした瞬間に、脳をよぎる。


僕は、何になりたいのか?


何を求めているのか?


世界一のお金持ちになったら、僕は満足なんだろうか。


少なくとも、今よりは楽しい、幸せな生活が送れるだろう。


だからきっとお金はいっぱい欲しいのだ。


で、僕は満たされるはずなんだ。


きっと。


世界一美しい女性と付き合ったら、僕は満足なんだろうか。


少なくとも、今よりは毎日の予定が埋まるだろうし、土日は休む暇がないかもしれない。


だからきっと彼女は欲しいのだ。


で、僕は満たされるはずなんだ。


一日中ゲームをしていたら、一生ゲームをしていたら、僕は満足なんだろうか。


少なくとも今よりはネットに友達ができるだろうし、脳の疲労も大きいだろう。


だから、僕はずっとゲームをしていたいのだ。


で、僕は満たされるはずなんだ。


わかりきっていること。


誰もが知っていること。


人には欲望があって、それを満たすために人は生きている。


そして、その欲望を満たしたら、人は何をするんだろう。


お金持ちになって、世界一かわいい彼女を連れて、暇があれば大好きなゲームをする生活。満たされた生活。幸せな生活。


で、満たされた僕は、何をするんだろう。


コップに満たされた水に、さらに水を注ぐと、コップから溢れる。


なぜ、コップから、水が溢れるのだろう。


溢れたら、もう元には戻らない。


それは、死を意味するのだろうか。


ならば、僕たちはコップの水を満たして、死ぬことを目的としているのだろうか。


結局、どんな人生であっても、僕たちは死を目指して生きているのだろう。


そして、その死の先に、一体何があるのだろうか。


人は、どこから来て、どこへ行くのか。


死の先に何が待っているんだろう。


それは個体として未来なのか、それとも人類にという種としての未来なのか。


お金持ちも、かわいい彼女も、ネットの友達も、みんなが人の行く末のための歯車だとしたら、結局、どんな人生であっても、意味はないのかもしれない。


いや、意味はあるのだろう。ただ、意味を理解していないだけか、意味を見出そうとしているだけか。


僕は、今だに意味を見出せていない。


周りのみんなほど、人生に対して真面目に向き合っていない。


だから、みんなすごいと思う。


何かをしたいという欲望があることが。


僕は、今だに何をしていても、その欲望に意味を見つけることができていない。


そう、まるでダイスをただ振り続けているような生き方。


それが今までの僕の人生であり、そしてこれからも変わらないのだろう。


いや、もしかすると、そんなあてのない旅をダラダラと続けることそのものが、生きるということなのかもしれない。


そして、その旅の意味を自分で見つけることが人生なのかもしれない。


僕は、この先、何か意味を見出すことができるだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕が生きる意味って何だろう 祐里葉 @yuriharami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ