彼女を一文字で例えるなら、それは『紅』


その素には、誰も触れない

社交的なのに、ただでは群れない

ちょっと大人びて、それでいて熟れない

愛してくれるのに、この心はつれない


その光無しには、誰も映えない

近くにいるのに、ただでは逢えない

ずっと嘆いて、それでいて変えない

愛してくれるのに、この心は冴えない


その扉の鍵は、誰も開けない

背中越しが好きなのに、ただでは抱けない

たまにか弱くて、それでいて負けない

愛してくれるのに、この心は駆けない


けれど

愛してくれるから、その心に嘘は吐けない

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