【正気度】奴隷娼館から身請けした、狐耳のじゃロリ少女を信じた俺は、いつのまにか邪神の眷属認定されていた。彼女が調教と拷問で、とっくに発狂していたなんて、気づかなかったんです!信じてくれよ!【残りゼロ】

読んで頂けたら、うれしいです!

第1話 睦言 ~ケモ耳奴隷少女と、ピロートーク~

※この作品には過激な表現を含みます! ご注意下さい。



『わっちを、身請けしてくりゃれ?』


 身体の線が細い狐耳の少女は、目をうるませて、こちらの顔をまっすぐ見て言った。


「っ!・・・すまない。」

 激しい運動で疲れ、隣で眠りかけていた全裸の若者は、肩を落とし呟いた。思わず心が揺らぎそうになる。もうこれで最後にしようと決めて来たはずなのに、未だに、そのことを言い出せずにいる。

 強気を装う、儚げな彼女が、もろく崩れてしまいそうなので。


「・・・良い。わかっておる。わかっておったのじゃ。」

 狐耳の少女は、フッと息を吐くと、腕をのばし、「う~ん」と伸びをした。

 色白な彼女の伸びに合わせて、小ぶりの乳房が、軽く上下する。


「なんじゃあ?そんな顔をしおって!

 言ってみただけじゃ!」

 大人びた口調の小柄な少女は、素の口調に戻って、明るく言った。

 彼女の耳の片方が、悲しそうに垂れたままなのを、若者は見逃さなかった。


「今のまま、じゃあ、いけないのか?」若者は、目線をあわせず、尋ねる。


「たしかに、今の暮らしも悪くはないのじゃ。


 もう、痛いことも苦しいことも、ずいぶん減った。


 助け出してくれた主に、感謝しておるぞ、

 本当に、本当に、感謝しておる。


 この店の人間も、わしのような亜人に優しいし、のう。」


 狐耳の少女は、亜麻色の長い髪を触り、髪を梳かしながら、つぶやいた。

 少し、はにかむように笑う彼女の目には、すこし前とは違う温かみがあった。

 

 全てに絶望しきった少女の暗い目を思い出して、若者は彼女が元気になって良かったと、心の底から思った。もう、彼が居なくても大丈夫だろう。彼女はもう、安全なところにいて、一人でもやっていけるはずだ。

 貴族の若者が定期的に支援すれば、あと10年もしないうちに市民の地位を買い、奴隷から解放されるだろう。


「特に、ぬしは、お主だけは、わしに優しくしてくれる。


 ぬし、だけ、なのじゃ。


 わしが、本当に想っておるのは。

 じゃがの、仕事とはいえ、ぬし以外のオスに、体を許すのは、もう、本当に耐えられないのじゃ。」


 奴隷の証である、錆びついてくすんだ首輪には、鎖がついたままだ。

 少女の首周りの傷や、紫色のあざは、少女の太い首輪から、はみ出して見えるほどに大きい。


 ほかの仕事を、さがすように言うべきだろうか?

 だが、片方の手足の腱を切られた不自由な亜人を雇ってくれるのは、この娼館ぐらいのものだ。

 仮に家に連れ帰ったとしても、若者の両親や親族、使用人たちは、“亜人嫌い”なので、まともな扱いは受けないだろう。


 彼女のような状態の亜人が、自立して一人で食べていける仕事で、かつ収入が多い職は少ない。

 この娼館ならば、わずかな時間、限られた仕事をすればよいだけので、体の治療にも専念できるはずだ。

 自分勝手な若者は、少女の気持ちも知らず、思いを巡らせる。


「のう、ぬしよ?まだ、“元気”かや?」


 狐耳の少女は、荒い息遣いが感じられるほど、上目遣いに身体を寄せてきた。

 少女の細い腕が、隣で横になっている若者の腰にまわる。


 若者も、同じように少女の腰に、手を回す。

 普段、腰を触られるとビクッと体を震わせる彼女は、嫌がるそぶりを見せない。


 若者は、そのまま彼女の尻の上に指を這わせる。本来あるべき場所には、亜人族が持つ特有の尻尾がない。代わりに、深く刻まれた「薔薇」のタトゥーが、指の上からも、はっきりとわかる。

 若者の指遣いにあわせて、狐耳の少女は喘ぐ。


「なあ、ぬしよ?」色白の少女は、若者の耳に唇をよせ、キスした。

「ああっ、ぬしが、主様のが、欲しいっ。」若者も、もうすぐ準備ができそうだ。


 狐耳の少女は唇を若者の耳に擦り付け、息を激しくさせながら、ささやき続ける。


「これが終わったら、わっちを連れて、一緒に、逃げてくりゃれ?

 どこか、遠いところに、わっちを、連れて行ってくりゃれ?」

 

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