自由

何もできない信二。そんな信二を家族は放っておいてくれた。同じマンションに住んでるいわゆる近所の人も放っておいてくれた。それが信二にとって居心地が良かった。

「子供のころ僕は何が好きだったっけ?どんな風になりたかったんだっけ?」

子供のころ信二は生き物が好きだった。特に好きだったのは水棲の生き物だ。カメやイモリ、タガメ、サワガニ、サンショウオなどが大好きだった。

そして、子供のころからサラリーマンになりたいと思ったことは一度もなかった。忍者や凄腕ハッカー、シートン動物記を読んで動物の研究者にもあこがれた。共通してるのは”自由”だった。彼らは子供ながらに自由に思えた。

信二は何かになりたいわけではなく自由でありたかったのだ。

だから信二は何かになるために頑張るのではなく”自由である”そのために全身全霊で取り組もうと決めたのであった。

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