仕事が出来ない
毎日辞めたいと思いそれから逃れるように信二は妄想に浸かっていた。自分で会社を立ち上げて金持ちになる妄想だったり、ユーチューバーになり遊びながら金儲けしてダラダラ過ごす妄想だったりそんな妄想をしてる時が信二の心を解いてくれた。信二は仕事が出来ない。もっと言うと信二は自分が仕事が出来ないと思い込んでいる。仕事初日に信二は早速ミスをした。仕事中に電話が鳴った。その時上司や他の職員の方は外に出てしまっていた。
(自分に電話対応が出来るだろうか、、、)と不安を抱えながら電話をとった。電話の相手は他の部署の人間だった。信二は安心した。所属している部署名と自分の名前を伝えて要件を聞いた。増生係長宛の電話だった。
「増生係長は今外に出てしまっていて、、、戻ってきたらこちらから折り返しご連絡致します」と信二は相手方に伝え、相手方も了承した。
それからしばらくして増生係長が戻ってきた。増生係長に
「今他の部署から増生係長宛に電話があって折り返し電話すると伝えました」
それを聞いた増生係長は
「どこの部署?名前は?」
「たしか、、、部署名は、、、」
「俺言ったよねぇ!?折り返し連絡する時は相手の名前と連絡先聞けって!」
「どうやって折り返しすれば良いんだよ?」
信二はパニックになりながら周りを見回した。同じ会計年度任用職員の人が係長をなだめながら色々動いてくれたことだけ覚えている。
信二は仕事が出来ない。
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