第3話 内緒話の裏側

 あなたにもしものことがあっても、私に知らせはこない。


 私になにかがあっても、あなたに知らせは行かない。


 毎朝あなたに送っているメッセージに、なんの返事もこなくなったら。


 ああ、そうなのだ、と悟るでしょう。


 私は返ってこないとわかっていても、あなたにメッセージを送るでしょうか?


 あまりの悲しみに耐えきれず、全てなかったことにして、忘れたふりをするでしょうか?


 私からのメッセージが、あなたに届かなくなったら。


 ああ、そうなのかと、悟ってください。


 もう二度と、私からのメッセージは届かないのだと。


 人は生きている内が花ですね。


 いつどうなるかもわからないから、私は思いつくままに、あなたにメッセージを送り続けてしまったけれど。


 優しいあなたは、それを疎ましいと言わなかったわね。ありがとう。


 私はすべてをかけて、あなたを思った。


 燃え盛る炎が、自分の身の内からほとばしる様を見続けた。


 ああ、生きている。


 そう実感した日々だった。


 人はいつ、その生の終わりを迎えるかわからない。


 だから私は今日も、力いっぱい叫ぶのだ。


 あなたを、心の底から愛していると。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る