第235話 魔環の魔法少女 厨房の米根夫

 叶と米根夫は、炎の塔の一階の戻った。

「…………………………………………………………………………………………………………」

「強欲の魔法少女は、チョロいワン! 」

「ワオーン! 」

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン! 」

 黒焔幼犬は、十分の九が大黒天の仏像に変わっている。

 しかし、魔力が切れからだろうか?

 マモンは、自爆に巻き込まれてボロボロに死体になっていた。

「仕方ない。オレが相手をするぞ! 」

「何だと!? 」

「人間如きに勝てる我らじゃないワン! 」

「ワオーン! 」

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン! 」

 黒焔幼犬が吠えまくる中、米根夫は指輪をはめた手をギュッと握り締めた。

「ワン!? ワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! 」

 黒焔幼犬は一瞬にしてオレンジ色の光包まれる。

 そして、その光は三十秒ぐらい消えた。

「ワン!? 」

「ワワン!? 」

 光が消えると、そこには魔法少女になった米根夫の姿。

 白いキャットスーツと赤いエプロンドレス、銀色のポニーテールと叶ぐらいの大きさのおっぱいをした姿だ。

 米根夫は、黒焔幼犬に向かって叫び出す。

「魔環の魔法少女厨房の米根夫」

「厨房の米根夫だと? 」

「自爆でぶっ潰してやるワン! 」

「ワオーン! 」

「ワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! 」

 黒焔幼犬は、一斉に自爆。

 しかし、米根夫は新しい力で自爆を防ぐ。

「ステンレスボウル! 」

 米根夫は、金属の棒を巨大なステンレスボウルに変えた。

 そして、叶と一緒にその中に隠れる。

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん……」

「大丈夫だ。叶! 」

 ステンレスボウルは、キンキンと音を立てながら黒焔幼犬の爆風を弾いていく。

 その音は、一時間で終わった。


 黒焔幼犬に勝利した米根夫達は、地下ギルドに戻った。

 八千万円の報酬をもらった三人は、カウンター席でティータイムをしている。

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク……プフアァァァァァァ…………やっぱ、ここの炭酸水は美味ぇなぁ! 」

「さっきありがとう。米根夫」

「ああ! 」

「しかし、叶の白婿の魔法で生き返らせてくれるとはねぇ」

「あたしには、『ありがとう』は、言わないの? 」

「ありがとう! 」

「どういたしまして! 」

 すると、米根夫の肩を一人魔法少女が叩いた。

「ううん? 」

「よっ! 」

 そこにいたのは、魔法少女姿の頂天。

 米根夫の様子を見に来たのだ。

「ちょ、頂天。頂天じゃねぇか! 」

「クエストどうだった? 」

「すっごい激ムズ。最後のパズルで挫折しそうだったぞ! 頂天は、どうなんだ? 」

「何を言っているんだ、米根夫! 」

「え!? 」

「あの炎の塔は、ヘルが死んでから二日後。大体一週間前に、オレが造ったダンジョンだよ! 」

「頂天が造ったのか? 」

「ああ! 」

「ううん…………」

 米根夫は、少し自信を失いそうになった。

『頂天は、ダンジョンを造れるほど実力者。魔法少女になっただけでは、勝てないかもしれない』と…………。



 


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