10:奇跡②
ジョアンナが眺めていた板は「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎」になると、すぐに消えてしまった。
そして、すぐに新しい板が出てきた。そこには、こんな文字が書かれている。
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「初回スペシャル特典」を手にいれました!
① [ガチャ]と[アイテムボックス]が解放されました
② スキルキャンディ:1個を手に入れました
③ ガチャチケット:5枚を手に入れました(有効期限:1年間)
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どうやら3つのものが手に入ったようだが、どれも初めて見る言葉ばかりだ。
ジョアンナはベッドから机に移動して紙を取り出すと、文字をそのまま書き写した。
ついでに忘れないうちに、新しく出てきた全ての板の文字も書き残しておく。
全て書き終わり、右上の「×」に触れて板を閉じると、また新しい板が出てくる。
新しい板は、左上に「メニュー」という大きな文字。
右上には四角の枠があり、枠の中には……
「連続ログイン1,000日目」
「ログインチケット:0枚」
「ガチャチケット:5枚」
と小さな文字で書かれている。
そして、板の中央には「ガチャ」「アイテムボックス」と書かれた2つの四角の枠がある。
その枠の右上には、どちらにも同じ小さな黒い丸があり、白い文字で「?」と書かれている。
ジョアンナはそれを全て書き写した。
そして、「ガチャ」の方の右上にある黒い丸に触れてみる。
すると、出てきたのはこんな板だった。
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◼︎ガチャ
チケット1枚で1回、[ガチャ]を回すことができます
※ 1日に使用できるチケットの枚数に制限はありません
※ チケットには「ログインチケット」「ガチャチケット」の2種類があります。どちらのチケットでも1枚で1回、[ガチャ]を回すことができます
◼︎使い方
① [スタート]を押す
② [ストップ]を押す
③ 止まったカードの物が手に入ります
※ 失効までの期間が短いチケットから自動的に利用されます
※ 手に入れた物は、全て[アイテムボックス]の中に保管されています
※ [アイテムボックス]の枠が空いていない場合は、枠に入っている物を捨てるか、新しく手に入れた物を捨てる必要がありますので注意してください
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どうやらこの黒い丸を押すと、説明が読めるようだ。
使い方の下には、図が付いた説明も書かれている。
その図によると、この透明な板は「◯◯画面」
画面の中にある「触れると何かが起こる、少し膨らんで見える小さな枠」は「ボタン」
ボタンに触れることは「押す」というようだ。
ジョアンナは、メニュー画面の[ガチャ]と書かれたボタンを押してみた。
すると、説明の図に書いてあったガチャ画面が表示される。
画面の左側には、同じ模様の書かれたカードが上下左右に1枚ずつ、4枚置いてある。
画面の右側は、上部分に持っているチケットの枚数が書かれている。
その下にあるのは、[スタート][ストップ]のボタンだ。
ジョアンナは[ガチャ]を1回、回してみることにした。
[スタート]を押すと、右回りに1枚ずつカードが順番に光っていく。
同時に[ストップ]のボタンが点滅し始めたので、[ストップ]を押した。
すると、光が動く速度が少しずつ遅くなっていく。
そして、光は右のカードの所で止まり、すぐにカードがめくられた。
カードには、上部分にビンの絵、その下には「聖水」と書かれている。
ジョアンナがそのカードを見ていると、急に画面が光った。
驚いて画面を見ると、聖水のカードは消えていて、裏返しのカードが4枚並んでいる最初の画面に戻っている。
──なんだか、わからないけど……これは面白いわ!
少し興奮した様子のジョアンナは、続いてアイテムボックス画面を確認してみることにした。
まずは使い方を理解するために、[アイテムボックス]の[?]を押して使い方を読んでみる。
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◼︎アイテムボックス
[ガチャ]などで手に入れた物が、全て保管されています
保管できる枠には限りがあります
1つの枠には同じ種類のものが99個まで保管できます
※ [アイテムボックス]の枠が空いていない場合は、枠に入っている物を捨てるか、新しく手に入れた物を諦める必要がありますので、注意してください
◼︎使い方
① 取り出したい物を選ぶ
② 取り出す数を入力する(取り出すのをやめる時は[×]を押して画面を閉じてください)
③ [決定]を押す
④ 画面からアイテムが出てくるので受け取ってください
※ 一度取り出したものは[アイテムボックス]の中には戻せません
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アイテムボックス画面の説明の図を見てみると、アイテムが入っている枠は棚のような感じだ。
同じ形の小さな四角が横に5個並んでいて、それが縦に2列あり、全部で10個の枠がある。
取り出したい物を押すと、少し小さなサイズの「確認画面」という新しい画面が出てくるようだ。
確認画面は上部分に「取り出す物の絵」、その下に「名前×持っている数」が書かれている。
その下には「入力欄」という小さな四角の枠があり、そこに取り出す数を入力するようだ。
数は入力欄の下にある[▼][▲]で変更し、最後に1番下にある[決定]を押せば良いらしい。
使い方を理解したジョアンナは、[アイテムボックス]を押した。
アイテムボックス画面の左上の2つの枠には、手に入れた物が入っている。
1つ目は、真ん中に「SSR」と書かれた金色の丸の絵
2つ目は、ビンの絵
それぞれ、絵の下には小さな文字で「スキルキャンディ×1」「聖水×1」と書かれている。
1つ目の枠に入っている「スキルキャンディ」を押すと、確認画面が出てきた。
画面には金色の丸の絵、その下に「スキルキャンディ×1」と書かれている。
入力欄には「0」と書かれていたので、[▲]を押して「1」に変更し、[決定]を押す。
すると、急に画面から小さな金色の玉が飛び出てきた。
コロコロと机の上を転がる金色の玉。ジョアンナは慌ててそれを手で押さえた。
「これが『スキルキャンディ』? キャンディというくらいだから食べ物なのかしら?」
ジョアンナはスキルキャンディを指で
スキルキャンディは、淡く光ってはいるが、ツルツルしていて見た目は完全に飴玉だ。匂いも嗅いでみるが、何の匂いもしない。
恐る恐る舌を出して舐めてみると甘い。
ジョアンナは目をつぶり、それを「えいっ」と勢いよく口に放り込んた。
「えっ?」
スキルキャンディは口に入れた瞬間、甘さが口の中で広がり、一瞬で溶けるように消えてしまった。
ジョアンナが知っているキャンディは、口に入れると無くなるまでに時間がかかる物だ。
あっという間に消えてしまったスキルキャンディに驚き、目を見開いて口を押さえるジョアンナ。
しかし、すぐにもっと驚くことが起こる。
なんと、【鑑定】のスキルが手に入ったようなのだ。
ジョアンナ自身も信じられないが、自分がたった今、【鑑定】のスキルを手に入れたことがハッキリとわかる。
【鑑定】は物の情報がわかるスキルだ。
授かる人が少なく、とても便利なスキルなので、【鑑定】を授かった人は身分に関係なく重宝されると言われている。
王宮や貴族、そして大きな商店などから、多額の報酬を提示されて声がかかったりするのだ。
さっき手に入れたばかりのスキルだが、【鑑定】の使い方も不思議と理解している。
ジョアンナはドキドキしながら口を開いた。
「【鑑定】」
すると、目の前にある「紙」「羽ペン」「インク」の情報が空中に出てきたのだった。
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