魔喰少女

ゆゆ

第1話 少女、目の前が真っ白になる。

「この後どうする~」「クレープ行こうよ」


「部活だ部活!」「早く行かないと先輩たちに怒られるぞ!急げ!」


授業が終わり様々な声が飛び交う教室。


私…相原かなも教室を出るべく席を立つ。


「早く行かないと…」


今日は好きな小説の続きが発売される日だから急いで帰って買いに行かなければならないのだ。


初版限定で付いてくるヒロインのフィギュアがどーしても欲しいからなんだけど。


「あ、相原さん!これからカラオケ行くんだけど行かない?」


席を立ちあがったところでクラスメイトに話しかけられた。


えっと…確か名前は…笹原さんだっけ…


あんまりクラスの子と話したりしないからいまだに名前があやふやだ。


隣の子なんて一ミリも覚えてないし。


「相原さんがそんなの行くわけないでしょ」


「そうかな?」


「そうだよ!相原さんは超絶美人で誰とも関わらない超クール美少女なんだよ?」


私抜きでどんどん話が進んでいってる。


というか私ってそんな風に思われてたんだ…。


コミュ力低くて幼馴染以外と会話出来ないだけなんだけど…。


正直今すぐに帰りたいしカラオケなんて行ってる暇はない。


というか時間があっても知らない人とカラオケとか絶対行かないけどね。


ましてやリア充ととか…私、アニソンしか歌えないし。


「ごめんね。今日はどうしても外せない用事があって帰らなくちゃならないの。


機会があればまた…ね。」


私はやんわりとそれっぽく断る。


これで相手も傷つけないはず…。


笹原さんは少し残念そうな顔をしたけどすぐ明るい顔に戻った。


「そっか…じゃあまたね!」


手を振って教室を出て行く笹原さんたちに小さく手を振り返して見送った後私も教室を出ようとする…がそれは叶わなかった。


突如として現れた透明な壁が私を跳ね返したからだ。


「いたた…何この壁…」


こんな壁さっきまではなかったはず…。


笹原さんたちは普通に教室出てたし…


今さっき出来たってこと…?


誰が何のために?


というかこんな技術、日本どころか世界でも無理だよね…?


「もしかしてこれ…異世界の技術ってやつ…?」


それなら色々説明がつく。


急に現れたのも、この世界の技術ではなさそなことも。


だけどそんなことがあり得るのかどうか。


あり得たとして誰が何のために?


そんなことを考えていると次は床に何か模様のようなものが浮かび上がってきた。


これって…魔法陣だよね…?


小説のコミカライズとかで見たことある。


ということはもしかして…いわゆる…


「異世界召喚…ってやつ…?」


そんなことを口にした後教室全体を眩い光が包み込んだ。




かなのめのまえはまっしろになった!








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魔喰少女 ゆゆ @deko5353

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