『地獄検疫所』
やましん(テンパー)
『地獄検疫所』
『これは、フィクションです。』
地獄検疫官
『はい。こんにちは。さて、近年は、地獄に、お薬を大量に持ち込む亡者が増えています。かつては、持ち込み禁止だったのですが、あたらしい研究では、生前常用していたお薬を急に絶ってしまうと、地獄到着後に、突然、天国に行ってしまう可能性が高くなるとわかりました。これは、かなり、ゆゆしき事態ですよね。そこで、いまは、現世の病院のお薬は、持ち込みが許可されるようになりました。また、地獄でも処方が、できます。』
検疫官
『あなた、また、大量のお薬をお持ちですな。紙袋一杯ですよ。』
やましーん
『ないと、困るんです。』
検疫官
『まあ、みな、お薬袋に入っているから、許可しますが、飲みすぎは、身体に毒ですよ。』
やましーん
『はい。しかし、ないと、困るんです。』
検疫官
『少しずつ減らしながら、責め苦をしましょう。お薬なしで、責め苦を受けられる、健康な身体になりましょう。』
やましーん
『はい。できれば。』
検疫官
『なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも。じごくよいとこいちどはおいで、いちどといわずに、ずっとおいで。』
やましーん
『できれば、てんごくがよいです。あの、なんでも、きいたはなしでは、お薬をぷっつり絶てば、天国に行けるとか。』
検疫官
『どこで、聴きましたか?』
やましーん
『さいきん、現世では、よく言われます。減薬、節薬、後発医薬品にしましょう。と。テレビでも、お薬の出しすぎが問題に、なっております。しかし、それは、先ほど、地獄フェリーで聴いたばかりなのです。』
検疫官
『いや、なるほど。まあ、しかし、あまり、考えすぎないで。いまは、地獄でも、お薬の処方ができますから、少しずつ減らしましょう。あせらない、あせらない。』
やましーん
『なんだか、意味深ですね。』
🙅
おわり
『地獄検疫所』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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