家 2

 昼寝というと、長時間寝たはずなのに時間はそれほど経っていないもの……だと思っていたけど今日は違った。

 いつもより重たい頭と身体を頑張って起き上がらせる。

 シャツはびっしょりと汗によって張り付いていて薄ら寒い。そうだ、エアコンをつけずに寝ていたんだ。

 腕を伸ばすのも億劫だけど、暑さで熱中症になりかねない。私はエアコンを起動させ、身体から失った水分を補給するため一階へと向かう。

 ふらつく身体を手すりを持って支えながら、一昨日のことを思い出してしまう。触れ合う星谷さんのぬくもりをまた感じたい。

 そんなことを考えながら階段を下りる。

 台所で水を飲んで、失った身体の水分を補給する。

 時刻は昼を過ぎたころ。学校は昼休みの途中かな。

 星谷さんはこの後の授業を受けるだろうか。もしかしたら、授業を受けずに、家に来てくれるかもしれない。そんなありもしないことを期待してしまうほど、今の私は疲れているのだろう。

 すると家の電話に着信が入る。この時間帯、恐らく学校だろう。

 受話器を上げる。

 相手は担任だった。とりあえず安否確認、体調が悪いため今日は休んだということを伝えてすぐに切る。

 そして私はふらつく身体を支えながら再び自分の部屋へと戻る。

 戻る頃にはエアコンから出る冷たい空気が部屋を冷やしてくれていた。これで少しは快適に眠ることができる。

 そして再び、私の意識は深い靄の中へと落ちていった。

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