家
今日は学校を休んだ。理由は単純、気分がすぐれなかったから。
星谷さんは、心配してくれるかな?
「ははっ……」
なにを言っているんだ私は。忘れてほしいとか言いっていたのに、心配してくれているのか気にするなんて。
私以外誰もいない家の中で、なにをするでもなくただ寝転んでいるだけ。
お腹が空いたな、昨日からなにも食べていない。昨日の夕飯の残りがあるはずだからそれを食べよう。
そういえば、学校に休むって連絡していなかった。今からでも急げば二時間目には間に合うだろうけど行く気がない。無断欠席なら先生から連絡してくれるだろうから別にそのままでいいか。
昨日の残りを電子レンジで適当に温めて食べる。
気分はよくないけど、昨日からなにも食べていなかったからすぐに平らげてしまう。
おなかが膨れたから気分が少し良くなってきた。それと同時に頭も段々と働いてくる。そうなれば昨日のことを思い出してしまう。星谷さんに噓をついて逃げてきた私、このまま姿を消して星谷さんに忘れ去られたい。だけど、消え去ることはできないし、たかが一日休んだだけで忘れられるはずはない。それに、文化祭の準備には参加すると言ってしまったし。
ただでさえ噓をついているのに、約束まで破ることはしたくない。
――明日は学校に行こう。
今からでも学校に行けばいいのに、自分の情けなさに思わず笑みを浮かべてしまう。
明日は学校に行こう。そうやって先延ばしを繰り返してるうちに不登校にならなければいいけど。
星谷さんと繋がりができてから、色んな自分が表れている気がする。これは本当にいいことなのだろうか。
自分の知らない自分は自分でも制御できないはず、それでもし星谷さんを傷つけてしまったら?
ダメだ、さっきから色んな思考が頭の中を行き交って本当に気分が悪くなってきた。
少し休まないと。熱を持って揺れる頭で階段を上ってなんとか部屋へと辿り着く。
ベッドに身を預けるとすぐに意識が朦朧としてきて、私は深い靄の中へと落ちていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます