第2話 路地裏の正体
いまさっきまで蒼空と一緒に帰ってた俺は突如知らない路地裏にワープした。そこでは、俺の知らない世界が広がっていた。それは、
[ストリートバトル]
知らない人同士で歌で競っている。
俺は歌には何も興味なんてなかった。だけどこのバトルを見て、なんだか心惹かれた。
そんな中、つい見入っていると
「お前は初めてか?ここに来るのは」
と、知らない男の人の声が聞こえた。俺は、
「え!?あ、はい、初めてです」
戸惑いすぎて声が震えた。すると男は、
「ちょうど良かった。バトルの人数が今足りてないんだよ。よかったら参加してみないか?」
と言った。こんな俺に出来るはずがない。そう思っていたのに俺は知らないうちに
「します!」
そう言っていた。俺は蒼空より馬鹿なのかもしれない。そう思った。
何も知らないまま、俺は好きなボカロの曲を歌った。雰囲気に乗せられたからストリート系の曲を選んで歌った。
なんだか、すごく楽しくなってきた。まるで俺だけの世界にいるように、スラスラと歌えた。
歌い終わると男は
「っ...!?」
言葉が詰まっていた。
「どうしましたか??」
と俺が尋ねると
「お前は才能がある!いや、ありすぎる!是非大会に出てみないか!」
とても話が早かった。でも、この楽しさをまた味わえるのならと思い俺は
「でてみます!」
そう言った。
「おう、そうか!じゃあまた"呼ぶ"からな!」
そう言って男は去っていった。
そして俺はそのまま寝落ちした。
目が覚めるとそこには蒼空がいた。
「おい!莉紅大丈夫か!?」
なんでそんなに心配してるのか聞くと
「ずっとここで寝てたんだよ!莉紅のスマホが光ったあと、1回莉紅はスマホの中に吸い込まれたようにいなくなった!でも少ししたらいきなり莉紅が寝てたんだよ!目が覚めないし、どうなるかと!...」
どうやら夢だったらしい。夢にしてはリアルだったが。
「ごめんな蒼空、迷惑かけて。気を取り直して、帰るか!」
「おう!」
そうして、いつものように家に帰った。
この時はまだ、夢だと思っていた。
「あいつは、夢から覚めないと思ったのにな。また、呼ぶか。」
street-Fighter 黒音零央 @eresupa_803
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