TOEICはスポーツだ

 さて、もう一度諸君に聞いてみよう。例えば、君がTOEICに受験する際、まず手始めに何をするべきか?


 英語のスクールに通う? 留学生と友達になる? 単語本を買う?


 残念ながら、全て不正解だ。


 答えは


『ジムに通う』だ! 諸君、覚えておくように!


 え? なんで英語勉強よりもジムだって? 馬鹿野郎! 2時間もぶっ続けで試験を受けるんだぞ。それを耐え抜く体力が必要なんじゃないか? 勉強よりも、何よりも体力付けないと始まらないぞ!


 2時間通しで集中するタフさを身につけるため、試験勉強に備えた体力をつけるため、そしてマークシートで腱鞘炎にならないためにTOEICを受験する君は、何よりも先にジムに行って強くなることが重要だ。

 そんなひ弱な身体付きだと、試験なんて乗り越えることすら不可能だぞ! 勉強よりもまず体力だ!! 君が買った重たい参考書があるだろう? それは腕の筋肉を鍛えるために買ったんじゃないのか? さぁ、今からジムに通うんだ! もしジムを探しているなら知人のジムを紹介してあげよう! 月額10,000円だが、紹介によって月額料金が20%割引になるぞ!



 ……なんて、ことが冗談に思えないくらい、TOEICではタフさを求められているのではないかと私は思ってる。


 TOEICはスポーツだ。これは私の持論に他ならないが、受験していて思う。これはスポーツであると。

 TOEICで求められるのはもちろん英語を読み聞きする力であるが、なんだかそれ以外のことも試されているような気がしてならないのだ。

 200問という問題数を時間に追われながら解く。試験が終わった後は本当にヘトヘトで体力もゴッソリ持ってかれてしまうような気分になってしまう。帰り道に虚空を眺めるのがルーティンと化するほどだ。


 特にリーディング(全100問)の時間が大変厳しい。読む文量がとても多く、急いで読み込み、問題を解かないといけない。TOEICあるあるの一つにリーディングが間に合わないというものがあるが、それほどリーディングの文量は厄介だ。


 75分間、息をつく間もなく、大急ぎで英文を読む。


 読むものは小説でも、漫画でもない。英語で書かれた広告やメールの文章ばかりだ。途中で『一体自分は何の試験をしているのか?』と思いたくなるくらい、頭以上に体力が消耗される気分になる。

 

 何度も言うけど、本当に時間が無い。そのため試験中ゆっくり休憩というわけにもいかず、2時間全力疾走だ。もはやこれはスポーツであろう。


 ここまでアスレチックな試験を経験したのは他にも『商業簿記』がある。これも時間に追われ続けるタイプの試験だ。試験中みんなが必死に電卓を叩いているあの雰囲気、まさにスポーツである。


 これと同様、私の中で勝手にTOEICは『スポーツ型試験』と括ってしまった。


 ・いかに問題を解く中でタイムロスを減らすか。

 ・いかに外部の妨害を凌ぐことができるか。

 ・いかにマークミスしないパフォーマンスを引き出すことができるか。

 ・いかに試験当日、ベストなコンディションで挑めるか


 やっていることが、スポーツのソレである。


 その為、私は真面目にTOEICを勉強するためジムに行こうか考えたし、実際、近所をウォーキングして体力をつけている。睡眠時間も増やし、規則正しい生活を始めた。


 全てはTOEICのためだ。いかにベストなコンディションで試験勉強と試験本番を迎えることができるかを考えて行動している。TOEICの勉強をしていると自然とアスリートになるのだ。ちなみに健康にもなる。


 これって本当に『英語力を試す試験なのかよ』と疑いを持つ時だってある。時間に追われながら英語を読むことで正確な英語力を算出できるのかと、どことなく英語ビジネスの闇を感じる時もある。


 それでも自分を信じて今日も運動に励んでいるのだ。毎日毎日、コツコツと。

 健康にも気を遣って青い野菜を積極的に摂るようにもした。


 え? 勉強?? それは一番最後だ。私はまだ、一人前のTOEIC受験者にすら成れていないのだ。日々の鍛錬こそが、高得点の近道なのだ。


──────


Q1:紹介された場合、ジムは月額いくらか?


A:8,000円


B:10,000円


C:5,000円


D:支払う必要はない



Q2:本文において、筆者はTOEICの勉強をするために何をしているか?


A:ジムに通っている


B;簿記試験を受験している


C:健康診断の頻度を増やした


D:近所を彷徨いている


 

Q3:本文にて、簿記試験についてどのようなことが示されているか?


A:アスリート達が受験している


B:あるカテゴリーに分別された


C:電卓が無いと受験できない


D:マークミスが発生しやすい

 



Q1の解説:Aが正解。本文前半に『さぁ、今からジムに通うんだ! もしジムを探しているなら知人のジムを紹介してあげよう! 月額10,000円だが、紹介によって月額料金が20%割引になるぞ!』と言われておりAが正解。結構いいジムである。Bの選択肢は割引前の金額。


Q2の解説:Dが正解。本文にて『その為、私は真面目にTOEICを勉強するためジムに行こうか考えたし、実際、近所をウォーキングして体力をつけている』と述べられており、これを言い換えたDが正解。Aの選択肢にて、ジムに通うかどうか考えただけで、通っているとまでは言及されておらず不正解。正直、Dの選択肢が怪しいが、他が明らかに違い、消去法で正解を導き出せる。


Q3の解説:Bが正解。本文にて『私の中で勝手にTOEICは『スポーツ型試験』と括ってしまった』と述べられている。Cについて『試験中みんなが必死に電卓を叩いているあの雰囲気、まさにスポーツである』と電卓を用いる様相が書かれているが、電卓がないと受験できないとまでは言及されていない。よって不正解。

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