第11話

えい。

とう!

やー。


これで10匹目っとー。

目覚めてからなんだかんだでネズミを狩り続けてたんだけど、レベルが上がったおかげで狩りはそれはもう順調も順調でまだ全然時間は経ってないのに既に2ケタ突破しちゃったんだよね。

おかげでネズミの肉を滅茶苦茶無駄にしている状態だ。

1回に食えるのは正直2匹が限界。

ネズミの肉を運びながら戦うのは大変だからその場に廃棄なんだよね。

それにレベルが上がったおかげでネズミをスキル無しで一発KOできるようになったのはいいのだけれどレベルも全然上がる気配がない。


んー。

食料用以外でのネズミの狩りは一旦やめようかなぁ。

レベル上げ的に美味しくないし、別に味の方も美味しいという訳では無い。もっと美味い食べ物も食べてみたい。


かと言ってもう一度蛇を探して倒すのは大変だし、なにか丁度いい獲物がいるといいのだけれど。


あ、そうそう。

僕の食料筆頭ネズミくんをさっき鑑定したら出てきたのが《ネズミ》だったんだよな。

正直ゴミもいいところだ。

でもこれさえレベルが上がってくれれば美味しい食べ物にありつける可能性は上がりそう。

まじで早くレベル上がってくれー。


まあなんにせよレベル上げが最優先。

なにかいないかなぁ。

1回高いところからでも探してみるか。


僕はその辺にあった木によじ登り周りを観察する。


んー。

あ、でかい犬が川の付近にいるのが遠くに見えるな。

あいつは倒してやりたいけどまだ無理だな。

もっと力が必要だ。


なんかちょうど良さそうなのは〜。

いやいねえわ。


そもそもこの位置から見える奴らにちょうど良い奴なんているわけないだろう。

見えるのはでかい犬とかでかい蛇とか、それと変な鳥くらいだ。


そうそう、あの鳥なんてなかなかちょうど良さそうなんだけどいかんせん飛んでやがるから倒しようがない。


運良くこっち来てくれたりしないかなぁ。

おーい、カモン鳥さーん。

心の中で僕は大きく鳥さん向かって手を振るのだが見向きもされない。


なんか時々鳴いている声が煽りにしか聞こえなくなってきた。鳴き声がアホ〜、アホ〜に聞こえるし。

それでいてあいつはずっと空を飛んでいて安全地帯。

高みの見物ってやつか。ムカつくわー。


やっぱり下でコツコツ見つけたやつらを倒していくしかないのか...

もうネズミを狩るのも飽きてきたのだけど...

なにか他の獲物との出会いを求めて少し移動するか?

川の付近はデカ犬がいるからなしとしてこの茂みを抜けた先の森とかなら行くのもありだろう。


でもやっぱり新天地に行くにはこのレベルじゃ少し心許ないよな...


よし、一旦目標を決めよう。

あの森へと行くための目標だ。

そうだな...

レベルが10になったらっていうのが1番ちょうどいいのでは無いだろうか。

今のレベルは8。

2レベル上がればSPも2ゲットできるから有用スキルを取る事だって出来るしステータスも伸びる。


あと2レベル...

倒せそうなので1番効率が良さそうなのは...蛇、あいつしかないよなぁ。

正直言ってあいつを倒すのは骨が折れそうだし、1回倒せたからと言ってあまり戦いたくないのだけれど。

だが背に腹はかえられん。

できるだけ早く新たなる地に行くためにもいっちょ頑張りますか。


------------------------


時は経ち場所は相変わらずの広い茂み、僕は今でかい蛇と熾烈な戦いを繰り広げている。


この前の時と比べてかなり勝負らしい勝負になっている。


と言っても勝負はずっと僕が優勢で進んでいるのだが、いかんせん決めてが無いのだ。

相手の攻撃は前回の戦いと今回の戦いでわかっているから簡単に良けれるのだけれど、さすがに攻撃を避けながら『パワーファング』で相手に噛みつきにいくのは難しい。

僕の攻撃は一応当たっているので相手をちょっとずつ削ることには成功しているが、倒すまでには至らない。


えー。また酸素欠乏で倒すか〜?

今度はもうちょっとまともな勝ち方をしたいし、

よくよく考えたらあの倒しかたなかなか気持ちがいいものではないからね。

相手を倒すために相手に食われに行くってなんとも。

あいつの口の中とか少なくとも清潔では無い。

果たしてゴキブリである僕が清潔感を求めるべきかは置いておいてあんまし入りたくはないところだ。


よし、『パワーファング』で倒すとするか。

このスキルは未だにスキルレベルが1だしここらで上げておきたい。

ステータスも前より上がっているのだから『パワーファング』が相手に有効である可能性は高い。


そうときまればさっさとやっちゃいますか。

普通にこちらからいっても相手の攻撃を食らっちゃうだろうし、カウンターで決めることにしようかな。


その数分後、僕は攻撃してきた蛇の首に『パワーファング』で噛みつき蛇の首を一撃で食いちぎった。


《スキル『パワーファング1』のレベルが上がり、『パワーファング2』になりました。》


って強!?

思ったより自分の顎にパワーがあってびっくり。

それに『パワーファング』のレベルも上がってくれて良かった。

これで『パワーファング』くんが先輩なのに1人だけスキルレベル1で肩身が狭かったっていう問題が解決できる。


《レベルが上がりました。》


お、ナイス。


《レベルが上がりました。》


おお!

この前までに倒してきたネズミの分も含めてだろうけどやっぱりあの蛇倒すと結構レベルが上がりやすいな。

まあ他の奴らと比べるとかなり倒すの大変なんだからこのくらいないと結構辛いのだけれど。


《レベルが一定に達しました、進化が可能です。》


おー、進化も可能になったか〜。

って、え?

進化!?








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