転生G〜ゴキブリから始まる異世界転生。最強目指して頑張ります〜

@tomato4040

第1話

極度の集中状態の時、体感時間が遅くなるという現象を僕は今人生で初めて感じている。


どういうことかって?


それは今僕の置かれている状況に原因がある。


僕の目の前には今、目測1mの位置にアクセル全快のトラックがある。


まあ順を追って説明すると、飲酒運転か何かは知らんが軽自動車がオレンジ色のセンターラインを越えて対向車線上へと乗り出し、その対向車線で走っていたトラックが軽自動車を避けるため急カーブして、歩道を歩いていた僕に向かって今ぶつかろうとしているところだ。


いや普通に詰んでいる。今の足元の状況的に車を避けるということはまず無理。車が止まるということも勢い的にありえないだろう。ガードレールがなかったのが運の尽きだ。まあ多分運転手の人も僕に気づいて必死にブレーキを押しているんだろう。窓越しに見える運転手の顔が迫真すぎてこんな時なのにちょっと面白い。


まあこの人生の最後という時間を使って軽く今までの人生を振り返ってみるとしよう。


現在高校3年生、佐倉幸、17歳。

高校では帰宅部で趣味はゲームや読書、料理。

父と母はどちらも旅行系の会社で働いていて、家は裕福という訳でもないが、生活に困ることもなく毎日を平穏に過ごしていた。


馬鹿みたいに早死にしてしまいそうなので両親には心の中でだけでも謝っておこうと思う。

父さん母さん 、早死にするような親不孝者でごめん。そして今まで育ててくれてありがとう。

生命保険ははいってないだろうなぁ。うちの親はそういうの掛けるタイプじゃ無さそうだから。

まあ出来れば僕のことはさっさと忘れて2人で旅行とか行ってきて人生を楽しんで欲しいところだ。


おっと、さすがにトラックがもう目と鼻の先だ。


とりあえず僅かながらも生き残る可能性にかけて腕で頭でも守っておこう。さあ次に目覚める時は病院か、はたまた地獄か天国か、それとも目覚めないのか。


あぁ、でも。死ぬのは嫌だなぁ。


そんなことを考えた後、僕の意識はプツンと切れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『出自、原因、どちらも不明の魂を確認。』

『魂に適応する新たな体の生成を開始します。』

『種族○○○○が適すると判断。』

『実行。』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る