4.パム人の社会

パム人の多くはパムの裏側である時空スポットに住んでいる。表側に住むパム人もいるが、一時的に住んでいると言った様子だ。大きな時空スポットが3つあって距離的にはかなり離れているのだが、どこも同じ社会構造を基盤としている。その主だったものをいくつか紹介しよう。



①星民証/身体登録

パム人の社会にはお金という考え方が無いため、最もお金に近い役目を果たしているのがこれらの仕組みであろう。パムに住む人は全員3年毎に自分を証明する身体特徴を登録し、星民証を受け取る義務がある。星民証は指輪の形をしており星間旅行をする際のパスポートとなり、パムにある全ての施設は星民証一つで自由に使用することが出来るのだ。



②教育

パムの教育は全て学校制で、標準モデルは幼少学校⇒基礎学校⇒教養学校⇒専門学校となっている。この他に特別学校という塾的な学校もあるが、これは一度学んだものを再度学び直すための学校である。個性を重視し、教養学校からは成績の良い教科・生徒の希望教科・人間学を学ぶことになっている。また職業研究という教科は基礎学校から充実している。パムには夜が無いため同じ授業が2回あり、生徒は好きな時間を選んで(両選択も可)登校できる。



③職業

パムでは成人した者が就業する。200歳までは5年働けば5年間の休暇をもらえる仕組みで休暇はまとめて使うこともできる。多くのパム人は職に就くことを生きがいとしており、仕事を楽しむ者が多い。仕事はフレックスタイム制で、1日10時間以内と定められている。201歳以上のパム人に就業の強制はないが、自主的に職に就く者がいる。就業は全て星で統括されており、以下のような部署に分かれている。


*情報管理庁

星を統括する機関で、星民証の発行と情報登録、情報処理と統計、展示館への物品登録、星則(星の規則)の企画運営活動、星民からの苦情処理などを行っている。


*衛星技術庁

物理的エネルギーの管理と運営、ゴミ処理、建築、インフラ整備、食品・物品の検査、事故処理、福祉施設運営などを行っている。


*生活産業庁

自然界全体の管理、人工公園・人口森林・農場の管理、物品の保管と修理、物品展示館・リサイクル展示館の運営などを行っている。


*教育企画庁

各学校運営、マス・メディアの企画運営、催事・祭事の企画運営、各種娯楽施設の企画運営などを行っている。


*研究開発庁

各種研究機関、リサイクルアートなどを行っている。


*時空連絡庁

各種乗物の管理と運営、個人間対象の伝達メディアの企画と運営、地域案内と観光企画、ホテルの企画と運営などを行っている。



④物品展示館

パムの各地にあるデパートといった存在で、星民証で入館できる。文明初期から今までに作成された様々な物品が見本として展示されており、自由に触れることができる。欲しいものがあれば入口で配られるメモリー・カードに記録しておき、出入口前のカウンターに申し出る。星民情報の記録と人物審査の結果にて同じものを所有することができる。よく使用される物については未使用品が巨大倉庫に保管されており、後日取りに来るか、当日配達を希望する。



⑤リサイクル展示館

一度使用された物品が装飾や修理改良によってリサイクル展示されており、星民も星民以外の誰でも入館できる。芸術的に価値が高く、欲しいものがあればメモリーカードに記録しカウンターに申し出るだけで自由に個人所有しても構わない。基本的に一点モノである。


~パムの一口メモ~

*パムはリサイクルの充実、食物摂取の必要の無さからゴミが少なく、その処理方法も変わっている。ゴミ処理専用に小さな時空スポットを利用し、時間圧縮機をかけて小さなブラック・ホールのような空間を作り出してしまうのだ。そのスポットに投げ込まれたゴミは原子状に分解される。

*パムには病院が無い。精神太陽の光を浴びようと外星人が多く治療にやってくる。

*パムには果物公園があり、四季を問わずに実る新鮮な果物は食の少ないパム人にも楽しみである。



⑥住居

パムの住居は基本が集合住宅で、個人が5つくらいの住戸を持つのが当然となっている。住居は1人向け、家族向け、グルーブ向けなどとなっており、どれも充実した設備に満たされており、内部は非常に複雑だ。星から賞与を受けた者は個人住宅を持つのも可能で、中には小さな時空スポットを丸々個人の所有にしたおエラ方もいる。パムは住みやすいので住宅を利用しない者も存在する。星則にも強制は無いが、各住居を使用するに当たっては登録制になっている。



⑦罪人への罰則

パムで罪人が出るのは珍しいことであるが、やはり罰則はある。

*殺してはならない

*物品を許可無く個人所有してはならない

*破壊兵器を作ったり、所有してはならない

罰は1日から無期限までの強制労働で、衛星技術庁が統括する中から厳しい労働を割り当てることが多い。

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