パムには2タイプの人種が存在し、共に社会生活を営んでいる。どちらも我々地球人と同じ哺乳類系ヒト型の姿で安心だ。地球的に例えるなら、白人と黄色人を足して2で割ったような顔立ちと思えばいい。髪も黒・茶・金とあり、目の色はほとんど黒だ。

パム人の性格は穏やかで暖かく、すばらしい知粋に富んでいる。あっさりとした情けの深さは、我々地球人にとって少し物足りない感じを受けるかも知れない。地球人との体質的な違いは、以下の通りである。

①両性具有体

パム人は通常、両性具有体として生まれてくる。自ら性の選択ができるのは、宇宙上たぐいまれなことだ。官能がうすいことから子供を作るパム人は少ないが、一度に5人前後の子供を産むことが可能である。有袋類型の哺乳類系のため産みの苦しみはほとんど無い。

②精神共有体

パム人の誰もが5つ子前後で生まれながら特筆すべきは、一緒に生まれたその5人の精神が常につながっているという点だ。つまり1つの意志が5つの身体を使いながら行動していることになる。もちろん1つ1つの身体をバラバラに動かし、全く別の行動をとることも可能であり、地球人の常識で考えれば超人そのものとしか言いようがない。

③ゴールド・パム

パム人1000組に1つの割合だが、たった1人で生まれる子供がいる。彼らは皆4つ目であり、地球人から見ると眉毛に当たる部分にも目があることから、異様な感じを受けるかも知れない。彼らは普通のパム人よりも研究能力に優れ、寿命も長いので重要な職に就いている者が多い。

④寿命

パム人の寿命はパム暦で100歳程度、地球暦に直すと役350歳である。ゴールド・パムとなると約500歳（！）。正に驚くばかりだ。長寿の理由のひとつは精神太陽という地球には存在しない光に恵まれているからなのであろう。

⑤容姿年齢変化能力

パム人は一度成人すると精神の力で好みの容姿年齢を保つ能力を先天的に持っている。地球的に見て、まだ小学生くらいのあどけないパム人が実は200歳であったり、逆に年寄りに見えるパム人が実は30歳であったりするので、外見からの年齢判断は全くできない。全体的に見ると、やはり若作りのパム人が多いようである。

⑥身体のつくり

外見ではほとんど地球人と見分けがつかないパム人も、内臓では大きく異なっている。精神太陽の影響で食事をとらなくても生きられるためか、大腸らしきものが全く無い。子宮にあたる部分が非常に大きくカンガルーのようなポケットになっている。皮膚が地球人よりもずっと厚く、指紋部分以外はゴム状によく伸びる。悪くなった歯は何度でも生え替わるという。