金でレベルアップ〜とにかく金を稼ぎまくって最強を目指す

Leiren Storathijs

プロローグ

 俺の名前は郷 琉堂(ごう るうどう)。

 二十五歳という若さで一つの大企業を立ち上げ、後に成功し俺は二年半で億万長者なった。

 総資産は10兆を超え、最早金に困ることは無く、金で手に入らない物は無い。土地も権利も、人脈も。


 趣味に没頭した。ゲームに何十億も課金する。

 スポーツに何億も使った。

 音楽に、勉学に。文武両道ももはや金で解決出来る。

 だから天才と呼ばれるのも時間は掛からなかった。


 しかし故に孤独だった。どんなに恵まれ、どんなに愛されても、俺は常に孤高であり続けることで、孤独を感じていた。

 もう俺と一緒に並んで歩けるものは誰一人としていない。

 だから俺はその命を一人で毒を飲んで絶った。

 願わくば、原点回帰を望んだ。


 ◆◇◆◇◆◇


 俺は目を少しの頭痛で目を覚ます。俺は死んだはずだ。だが体調の変化はなく、むしろ死ぬ直前の健康体だった。


 辺りを良く見回す。どうやら深い森のど真ん中のようだ。

 これは夢なのか。それともまだ体が死にきれていない。幻覚なのか。ただそれでも意識ははっきりしており、頬をつねれば痛みがあることから、まだ自分が生きていることが分かった。


 これは一体どういうことなのだろうか。そしてそんな悩みを拭い去るかのように、容赦のない鋭い眼光を見せる狼が俺の目の前に現れた。


「グルルルウゥ」


 俺の頭の理解を追い抜くように、突如と俺の目の前に文字が浮かび上がる。


 ─────────────────

 名前:郷 琉堂

 レベル:1


 攻撃:3

 防御:2

 魔力:4

 敏捷:3

 運力:1


 スキル:

・ゴールドレベルアップ

 ────────────────


「ほう、これは……金で力が上がるというのか?」


 何も説明はないが、ただなぜか自然と表示されている内容が理解出来た。

 俺の手にはたった一枚の金貨。


 ならば俺はその金貨を勢いよく握りつぶす。パリンと金貨は俺の手の中で弾け飛ぶと、すぐに変化があった。


 ─────────────────

 名前:郷 琉堂

 レベル:2


 攻撃:5

 防御:4

 魔力:5

 敏捷:6

 運力:2


 スキル:

・ゴールドレベルアップ

・ゴールドショット

 ────────────────


「これはまた面白い力だ。金で力を付け、金で攻撃か」


 俺の手の中にまたどこからともなく一枚の金貨が現れる。

 ならば俺は片手で銃の形を作れば、「バン」と言って撃つ。

 そうすれば金貨は瞬時に金の弾へと姿を変え、狼に直撃。


「キャインッ!?」


狼は血を流すことなく、頭を貫通して死に至った。


 金が力の源か。ここがどこで、何がなんなのかは全く分からないが、金を使うちょっとしたゲームならば、少しくらい遊んでもいいだろう。

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