season

えいみ

金井友春

第1話

柴田辰巳しばたたつみは、誰も知り合いのいない、この中学に入ってきた。そして、俺も知り合いがいない。ここは有名な進学校なのであった。


「よろしくー金井かねいくん」


「こちらこそ、よろしく…柴田くん」


「辰巳でいいよ」


「あー…慣れたら」


「じゃあ慣れるように名前で呼ぶよ。ともはるって読む?」


「そうだけど…はるでいい」


「春ね、OK」


なんというか、すごい自然体である。


授業中は寝てることはあるが、勉強はちゃんとしてる。辰巳は、誰にでも同じように話しかけ、あっという間に友達が増えていた。


「ねぇ、みんなでゲーセン行こーよ」


「いーねー」

「賛成!」


「春も行こうよ」


辰巳はすごいな。

俺まで誘ってくれる。


が、しかし。夏休みの後から、どうも委員長のことが気になってるようでそわそわしてる。じーっと見つめてるし、辰巳らしからぬ、面白い光景。


誰にでも同じように接してたのに、これ絶対好きだよ。

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