4話 預言者、謡

 キリスト教の聖典たる聖書には預言者と呼ばれるもの達が度々現れる。神の言葉を預かり、それを広めることを神から求められた彼らはキリスト教にとってはとても重要な存在である。そして、原作者から話を教えられた俺は彼らにとって預言者と言えるのではないだろうか。

 だから、俺は影に


「俺は預言者だ。至急上層部を呼んでほしい。事態は一刻を争う。」


「!?!?!?!?!?」


 と伝えた。実際、あの悪魔主人公は既に魔法が使えるようなので、世界に残された時間はあとわずかなのだから。


「すまない、何か自身が預言者だという証拠を出してはいただけないだろうか。」


 その通りだ。預言者を自称することはだれでも出きる。だからここで原作知識神からの伝言を使おう。


「君の名前は青原謡、年齢は18。神の代理人デウス・アルタナティヴにして、神の剣ミカエル第三席。司るは節制と暴食かな?」


 神の代理人デウス・アルタナティヴには、大きく分け四つのチームに別れている。

 一つ目は魔女狩りチーム。魔法使いを殺して、世界の幸福を守ることを目的としている。チーム名は神の剣ミカエル

 二つ目は後始末チーム。魔法使いが魔法使ったことによる不幸を救済し、戦闘によってでた被害を隠蔽することを目的としている。チーム名は神の慈悲ガブリエル

 三つ目はスカウトチーム。常に人員不足な神の代理人デウス・アルタナティヴの人員確保を目的としている。チーム名は神の智慧ラファエル

 四つ目は金策チーム。何かと金のかかる神の代理人デウス・アルタナティヴの活動資金を稼ぐことを目的としている。チーム名は神の天秤ウリエル


 目の前の影は青原謡。戦闘チーム神の剣ミカエル所属。神の剣ミカエルは七大天使と七大悪魔がそれぞれ、一人二つずつ権能を与えられた7人の少年少女の集団である。少年少女である理由は、子供でないとよっぽどの善人でない限り天使が見えなくなるからである。そして、目の前の彼女が与えられた権能は節制と暴食である。


「あぁ、たしかに貴様、いやあなたは預言者のようだ。少し待ってくれ、今上層部が会議をしている。私が案内しよう。」


 そうやって、目の前の影は教会に入るように言った。ひとまず第一関門は突破だろうか。


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