運営会議 議事録より 今年の関ヶ原 傾向と対策

◎議題 本年関ケ原に関しまして


会議室。

鴨川エリー(学園理事長)が地図を見ながら、何やら考えている。

配布プリントには問題点が羅列されている。関ケ原、とは便宜上のコードネームであり、多次元宇宙まるちばあすを結びつける分岐点のようなものとの説明を開発陣より受けた。よくわからんと鴨川エリーは思った。


秘書A 「今年の「関ヶ原」に関してですが、いよいよ開催が迫ってきました」

地獄太夫「どちらにせよ、歴史改変を安易に加えよう、なんてのが無理な話なのよテロ組織どもめ。よほどのバタフライ効果も、そよ風くらいにしかならないんだから」

秘書A「とはいえ、時空警察の間隙をつくのがテロリストですからね。厳重注意の警戒態勢は継続しておきましょう」

メイドB「よりによって、なんで胡蝶夢子さんが転校してきたんスか、このタイミングで」

鴨川エリー「本人もよくわかってないでしょ、ただ時空ホールから迷い込んでくるだけなんだから。斎藤道三の謀略とも思えるけど、多次元宇宙まるちばあすでは斎藤道三、パラメータ的には沈黙しているんだよな」

秘書A「理事長。多次元宇宙の可視化ツールは、私たちの次元では、オーバーテクノロジーですよ。あまりその手のデバイスには頼らないでください」

鴨川エリー「はいはい、隠す隠す」

地獄太夫「あたしゃドッチに転んでも関係ないて言うかさ、どちらにしても地獄太夫に変わりはないのでね」

鴨川エリー「そもそも、関ケ原自体がない、という多次元宇宙での展開マップについてなんだけど。そのセンの宇宙の系統図も、一応調査してみてよ」

秘書A 「そっちも結構ありますよ?フロンティアすぎます。そんな方面に調査団派遣する、時間も予算もありません。また「千利休問題」みたいな、情報洪水オーバーフロー起こします。トラウマですよ。正直、探るだけでもこわいんですけど」

メイドB「寝た子を起こすな。観察者が観察される。ですわな」

地獄太夫「あれな。千利休先生、この学園にいすぎだろ。最近また増えてるぞ。どうすんの」


会議室全員「えっ。また増えてるの?」


多次元宇宙まるちばあすに関する覚書 時空諸法度より引用

言術げんじゅつの一種として開発された精神幻惑呪術が発祥だが、世代交代が進み、屋上屋を重ねるようなカオス状態となり、もはや誰も全容を知らない。

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