居酒屋
羽弦トリス
第1話課長の誤算
ここは、名古屋港の端にある中部海運コーポレーション。
その会社内で、輸送課の課長・小林千茶(55)は、頭を悩ましていた。
小林は悩むと、頭を掻きむしりカフェオーレを飲むのがクセのババア。
そこへ、主任の広坂竜一(44)が、
「課長、また悩んでんの?」
と、声を掛けると、
「明日の新車の積み込みの、ドライバーが全然足りないのよ。広坂君、いい考えない?」
広坂は考えて、
「タケ・トランスに手配したら?」
「……タケ・トランスか……」
「おいっ、石神!弁当のメニューな゙んか読むんじゃねぇよ!オメェらがしっかりしないから、こういう事になるんだ!出雲!ブクブク太りやがって!煎餅ばっか食ってねぇで、手配しろ」
広坂は鼻息を荒くした。
出雲律子(43)は、会社の穀潰し。
業務上横領が発覚しクビになりかけたが、全額返済してコイツもパート扱いだ。
そうこうしていると、ツナギの上半身を腰で結んで、上着はカッターシャツの男があらわれた。
この男には、新卒の女性社員を連れて仕事のノウハウを1からタタキ混んでいる。
「どうしたの?ヒロちゃん」
「羽弦さん、また、石神と出雲のポカで明日、新車5000台積み込むドライバーの手配をミスったんですよ」
「おい、サイコパス、醜女!何しに会社いるんだ?石神、テメェは昔っから使えねぇな。課長の時、オレが新人で大幹部だと抜かして威張っていたが、仕事何にも分かってねぇじゃねぇか!そして、出雲!お前は会社でネットサーフィンしながら煎餅食いながら、ケツ掻いて、上にクビにするように言っとくからな」
と、羽弦が言うと、出雲は、
「私に仕事の神が降りて来ないのよ!」
「バーカ!」
「羽弦君、もし、ドライバーが集まらなければ僕達はどうなるのかな?」
「バーカ、2人責任持ってクビだ!」
「でも、僕と出雲はパートだよ!」
「知るか!そんなもん」
羽弦は、小林に耳打ちした。
「やった!羽弦さすが!」
と、小林課長は破顔した。
「どうしたの?」
と、広坂が課長に聴くと耳打ちされて、
「良かった〜、安心したよ!」
出雲が、
「どうしたんですか?」
と、広坂に尋ねると、
「お前ら、今日の飲み代払え!チーフプランナーさんの羽弦君が、すでに名古屋港海運にドライバーを手配したようだ」
石神と出雲はホッとした。
そして、5人と新卒の女性社員2人は居酒屋に向かった。
その居酒屋で、石神と出雲への拷問が始まった。
元、威張り散らした大幹部と、元、横領した事務員は新卒の女性社員に助けを求める程の屈辱を受けていた。
さて、どんな拷問が行われたのかは、別の話し。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます