第235話 状態異常耐性
月曜日の朝になった。
色々大変な問題は起こったけど、とりあえずは真面目に学校に行くよ!
通学途中のバスの中で希と話していた。
「っていう感じで、下関ダンジョンの二十三層の果物畑が結構ヤバいんです」
「そうなんだぁ、そういえば私もまだ状態異常攻撃の耐性は持ってないし何か手段を手にいれたいね」
「先輩がそう言うと大体次のお料理作ったときなんかに手に入りそうですよね」
「だったらいいけどなぁ、今日は放課後の予定も無かったし、何か作ろうかな? 別に毎回ライブ配信しなくても大丈夫だし」
「今回はどんな料理にするんですか?」
「そうだねぇ、素材は結構色々たまってるから、帰るまでに考えておくよ」
そんな会話をしていると、前にも話しかけてきてくれた三年生の河合先輩が声をかけてきた。
「ねぇ心愛ちゃん、ダンジョンの低階層で今は色々素材が取れてるの知ってるよね?」
「そうらしいですね。低階層はあまり行かないから、直接見かける事が無くて……」
「そうなんだ……お料理作る時に素材って言うかハーブみたいな使い方出来る薬草とか無いのかな? って思ってね」
「そう言えば薬草類って結構色々あるんですか?」
「私は、薬師のJOBを持ってないけど、うちのクラスで三人くらいいるんだよね。ポーション作れたら絶対稼げるからって、薬師を選んだ人たちが。その子たちが言うには結構色々あるみたいだよ」
「お料理に入れてみて何か効果が出るならやってみる価値はあるかもしれないですね。試してみます」
「やったー、私料理は全然苦手だから、思いついただけで手を出せないでいたんだよ。結果が解ったら教えてねー」
「了解です」
なんか、タイムリーって言うか、この方法なら耐性の付くお菓子とか作れるかもしれないよね。
解毒剤的なのより、予防が大事だしね。
よーし、それなら今日はダンジョン協会のショップで薬草を買って帰って、クッキーでも焼いてみようかな。
授業が終わると、早速ダンジョン協会のショップを覗いてみた。
三階のフロアに行くと色々な素材アイテムが並んでいて、結構楽しめたよ。
鍛冶師系統のJOBを獲得した人たちには魔物素材の皮や甲殻、骨、牙なんかが人気になってるんだって。
それを使った、武器や防具も並んでいてちょっと見ないうちに、随分ラインナップも変わっていた。
三か月前くらいはダンジョン鋼のナイフでも二百万円とかしてたのに、もっと高性能な魔物素材のナイフが百万円未満でも手に入るようになっていて、探索者になりやすい環境が整ってきたと思う。
まぁ、今日のお目当てはハーブ類なんだけどね。
全部鑑定は済んでいて、効能が書いてある。
ミントっぽいのは麻痺。
クレソンみたいなのは解毒。
カモミールみたいなのは暗闇。
レモングラスみたいなのは混乱。
バジルみたいなのは石化。
コリアンダーみたいなのは呪い。
ローリエっぽいのは体力。
セージっぽいのが魔力。
に効果があるポーションを作れるみたい。
色々、発見されてたんだね。
薬師さんは、この薬草類を使って純水を使って魔力を流しながら精錬していけばそれぞれに適応したポーションが作れるらしいけど、美味しく無いのが難点なんだって。
「もっと飲みやすいポーションとかが開発されていけばいいんだけどね」
ってショップの人も言ってたよ。
一通りの薬草類を購入して帰った。
食堂に戻って、これをどうするか考えたんだけど。
ミルクと一緒に、フードプロッセサーで回してみた。
もっと青臭いかな? って思ってたけど、ミルクはとてもまろやかに、香りのよい部分だけを残してくれていたよ。
元々、ミルクには臭みけしの効果があるし、それがいい方向に出た感じだね。
このミルクを使ってクッキーを焼いてみた。
勿論、普通に焼いても効果は出ないと思ったので、魔道具作成を意識して魔力を流しながら生地をこねたよ。
焼きあがったクッキーはハーブの香りがかすかにする若草色のクッキーだった。
早速、心眼で見てみた。
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【治るんクッキー】
あらゆる状態異常から復帰する効果がある効果のあるクッキー。
通常状態の時に食べれば、一枚で一時間の間状態異常耐性が出来る。
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めっちゃピンポイントで出来上がったけど……
デリシャスミルクポーションじゃないから、普通に販売しても大丈夫な感じだよね?
これは、同じレシピで他の人が作った場合ってどうなんだろ?
薬師の人なら出来るのかな?
河合先輩に頼んで薬師のJOBの人に試してもらおう。
でもとりあえず、状態異常耐性の問題は片付いたからまあいっか。
生地をこねた分だけ大量にクッキーを焼いてストックしておいたよ!
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