第186話 アクアパッツァと魔法陣※

 アメリカで二つのダンジョンを攻略して、ネバダにアメリカのダンジョンシティを構築するという超忙しい四日間を過ごして博多へ戻った。

 クリスマスホーリーに駐在武官として派遣されるグレッグも一緒に戻って来たけど、グレッグはニコールさんと毎日顔を合わせることが出来る事を喜んでいたよ。


 ダンジョンマガジン社の東郷さんも、クリスマスホーリーが受け入れる事を決めたので、希と桃ちゃんが巻頭カラーで特集される次号が発売されたら、正式に退社する事になったんだって。

 それを伝えるのに態々、食堂まで直接来て報告するとか、よっぽど杏さんに会いたいんだろうね。


 ロジャーはアメリカ国内唯一のダンジョンマスターとなって、アメリカ国内のCランクとDランクのダンジョンをすべて最終層まで攻略を進める事にしたようで、当分は忙しくなるみたいだ。

 勿論Bランク以上のダンジョンがスタンピードを起こしたりしたら大変だから、そっちも三十層くらいまで攻略を進めなければならないしね。


 私も明日からは、探索者養成学校の早期入学者を対象としたカリキュラムが始まるから、ちょっと忙しくなりそうなんだよね。

 D-CANも忙しいのは同じで、明日中には最初の依頼国が決定するそうだ。

 D-CANが求める条件を受け入れる事が前提にはなるけど、どこの国のダンジョンにするんだろうね?

 私や希たちも最終層のボス攻略の時は呼ばれる事になってるけど、Dランクダンジョンでも週に一つが精一杯かな?


 そう言えばアメリカの二つのダンジョンを攻略した時点でまた私のランキングは大きく上昇したんだよ。

 現時点での私のステータスはこんな感じだ。


~~~~

 柊 心愛 17歳 (女) レベル63 ランキング52位 ランクシルバー


HP  8,800

MP  4,200

攻撃力   163(+65)

防御力    63(+25)

敏捷性   163(+65)

魔攻力   163(+65)

魔防力    63(+25)

知能    263(+157)

運     193(+38)


ポイント0


スキル:【心眼】【超成長】【ステータス調整】【アイテムボックス】【聖魔法】【パーティ作成】【水魔法】【時空魔法】【氷魔法】【オーブ作成】【火魔法】【トラップキャンセル】【風魔法】【並列魔法】【シークレット】【雷魔法】【身体強化】【土魔法】【言語理解】【スキル細分化】【ダンジョン通信】【魔力強化】【契約魔法】【リミットブレイク】【重力魔法】【大結界・極】【スキル消去】【気配感知】【テイム】【精霊召喚】【スキューバ】


【JOB賢者ワイズマン】レベル4

【JOB錬金術師アルケミスト】レベル4

~~~~


 ついにランクシルバーまで上がっちゃった。

 君川さんに少し頑張ってもらわないと追い付いちゃいそうだよ……


 TBもずっと一緒に行動してるから、レベルも40を超えちゃった。


『TB今ならどれくらいの大きさになれるの?』

『このお部屋じゃ入りきれないくらいの大きさになれるニャ』


『凄いねー、でもお部屋は壊さないでね』

『ウニャ』


 そう言えば、魔法陣のスキルを取っておきたいな。

 魔道具作成とはまた違った使い方が出来ると思うんだよね。


 っていう事は早速お料理しなきゃね。

 ホノルルで手に入れたマヒマヒの身を使おうかな。


 なんのお料理がいいかなぁ?

 最初に思いついたのはムニエルなんだけど、それだとデリシャスポーションを使わないから駄目だなぁ。

 んーどうしよう……


 あ、ばっちりのお料理があるじゃん。

 アクアパッツァを作ろう。


「日向ちゃーん、お料理始めるよ」

「はーい、今行きますー」


 日向ちゃんがキッチンスタジオの準備を整えている間に材料をそろえる。


 ダンジョンマヒマヒを一切れ百グラムで四切れ

 ダンジョンハマグリを八個

 ブラックオリーブを八個

 ダンジョンミニトマトを八個


 デリシャスポーションを八百ミリリットル

 エクストラバージンオリーブオイルを三百ミリリットル

 お塩

 生イタリアンパセリのみじん切り


 最初にマヒマヒに満遍なく塩を振り十分ほど置いておく。

 表面に水分が浮いてくるのでキッチンペーパーで丁寧に吸い取らせる。


 フライパンを熱してオリーブオイルを引き表面を下にして焼く、

 焼く時は弱火で表面二分裏面三分くらいが丁度いいかな。

 綺麗に焼き色が付いたらデリシャスポーションを入れる。

 ミニトマトはへたを取って横半分に切る。


 強火にして、ハマグリを入れる。

 ハマグリの口が開いたタイミングで、ミニトマトとブラックオリーブを入れる。

 

 煮汁を掛けながら全体がなじむまで煮込み、オリーブオイルを加える。

 強火で煮汁を掛けながら白っぽく乳化するまで煮込む。

 味を見て、お塩で調整してね。


 このお料理は、お父さん曰く「塩と具材から出るうま味だけの勝負だ。他の物を入れる必要はない。料理人のセンスが一番問われる料理だな」って言ってた。


 私が使うお塩は、海水塩だよ。

 岩塩や焼き塩と比べたら湿気やすいとかの難点もあるんだけど、ミネラルが豊富でうま味を感じるんだよね。


 スープが乳化したタイミングで弱火にしてイタリアンパセリを加える。

 器に綺麗に盛り付けたら完成だよ!


 杏さんと希も呼んでみんなでテーブルを囲む。


 さぁ実食!


「うん。ハマグリから出たスープとお塩のバランスが最高にあってるね」

「マヒマヒっていうお魚がホックホクで凄く美味しいですぅ」

「いつもながら見た目が超綺麗で、食べる前から美味しいってわかりますね」

「ハマグリもぷりぷりしてて嚙んだら美味しさが溢れだすよ。幸せだね」


 今日も大好評だったよ!


 早速【魔法陣】のスキルを取得した。

 今のスキル一覧にはまたスキル強化が三つ並んでる。

 強化は大事だから、今のうちに強化も頑張らなくちゃね。


 魔法陣のスキルを早速心眼で見た。


~~~~

【魔法陣】


 自身の持つスキルを魔法陣にして付与する事が出来る。

 アイテムに付与した場合は回数や効果時間の設定もできる。

 

 身体に魔法陣を刻めば永続的に使える。

~~~~


 うーん、どうだろう……

 魔法陣が身体に刻まれちゃうと女の子にはちょっときついかな?

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