第106話 金沢ダンジョンの報酬
無事に金沢ダンジョンをクリアして、今は現れたダンジョンクリスタルに覚える事が出来るスキルを設定する所だ。
勿論【リミットブレイク】を設定しよう。
でも、きっと私以外の人だと設定できないんだろうな? ダンジョンのオリジナルスキルだけなら出来るのかな? あ、いま希にやらせてみたらいいのか。
「希、ちょっとこっち来て、このダンジョンクリスタルにスキル設定してみて」
「え、私で出来るんですか?」
「判らないからちょっと実験だよ」
希が再びダンジョンクリスタルに触れると、どうやら知識を教えて貰えたようだった。
「先輩、出来るけど、このダンジョンで覚えたリミットブレイクだけみたいですぅ」
「そうなんだね、判ったわありがとう。登録しておいて」
「了解でぇす」
希がリミットブレイクを設定すると、今度は私がダンジョンコアに触れる。
『NO470ダンジョンの通信環境が解放されました』
「ロジャー、このダンジョンも通信環境が解放されたからマッケンジー長官に連絡して指示を仰いでね」
「お、そいつは便利だな。了解だ」
ロジャーがすぐに電話をかけると無事にダンジョンからの魔物の流出が止まったことを知らされた。
「心愛、予想通りスタンピードは止まったようだ。中国の天津とケニアのガリッサをどうするかの協議を始めたいって言ってるぞ」
「ロジャー、私たちが協議に出ても意見とか言えないし、昨日から一睡もしてないから、私たちは一度家に帰るよ。どうするか決まったら連絡して」
「あー……そりゃしょうがないな。了解だ。俺はリミットブレイクの威力をグレッグのやつに自慢しまくってくるぜ」
「一応、今、魔石の在庫がある分だけリミットブレイクのスキルオーブ作るからグレッグや君川さんたちに渡してね?」
「あー解った。自慢が終わったらな!」
スキルの登録を終えると奥に現れた扉を開けた。
扉の奥に現れたのは下関と同じように三つの宝箱だった。
「樹里さん、どれか一つ選んでください」
「ぇ? 私? 自慢じゃ無いけど、くじ運悪いよ?」
「今は運も百まで上げてるからきっと大丈夫ですよ」
「よーし、それなら右端のにするね」
樹里さんが宝箱を開けると弓が一張現れた。
「樹里、ダンジョン攻略の報酬ならきっと凄い弓じゃないかな? ちょっとワクワクするね」
「【鑑定】してみますね」
~~~~
『ハンターボウ』
JOBハンターを取得する弓、この弓を使用し続ける事でJOBを習得する可能性がある。
矢は魔力を消費し自動装填
JOB取得確率は、運と知能の数値によって変化する。
攻撃力十パーセント上昇
~~~~
「あ、凄い! JOB覚えるんだって。初めての発見だよね」
「先輩、JOB覚えたらどうなるんですか?」
「んー、実際に覚えないと鑑定できないみたいだね。折角だから樹里さん使ってみたらどうですか?」
「え? いいの? これもしかしたら国宝クラスの凄い武器なんじゃない?」
「かもしれないですけど、武器は使ってなんぼですから! もし凄い効果が有ったら、四人で順番にJOB覚えましょう」
「判ったわ、とりあえず使わせて貰うね。でもさ、これって矢はどうやってセットするの?」
「ちょっと貸して下さい」
心愛が弓を握って弦を引くと、そこに自動で矢が現れた。
「さすがダンジョン産、謎仕様ですねぇ」
「凄いわね」
「きっとJOB覚えると、レベルに応じて特技が出て来るんじゃないかな?」
「そうだと凄いよね」
「でも、もしかして一人だけしか覚えれないとか無いのかな?」
「それは……可能性はあるけど【鑑定】で判らない以上、実際使ってみるしかないですね」
私たちロジャーを除く五人はダンジョンから出ると、テレポを使って博多の食堂に戻った。
先に葛城一佐のとこに顔を出すと、絶対まだ眠らせてもらえない状況になりそうだしね……
「みんなお疲れ様ですー、みんなでお風呂入ってとりあえず一眠りしてから、次の行動決めましょうね」
「「「「はーい」」」」
心愛の家のお風呂はお父さんの趣味でちょっとした銭湯並みに広くて五人でも余裕で入れる。
お母さんは「水道代が高くて大変」て言ってるけどね……
「そういえばみんなレベルはどうなったかな?」
「あーーー凄い、私ブルーランクになってる」
美穂さんがランクを確認してそう言うと、当然、樹里さんと希もブルーランクになっていた。
日向ちゃんも一気に大幅なレベルをアップを果たしている。
今日時点での五人のランキング
柊 心愛 LV55 ランキング 21,257位 ランクグリーン
真田 希 LV51 ランキング 2,254,876位 ランクブルー
進藤 樹里 LV49 ランキング 4,265,146位 ランクブルー
相川 美穂 LV49 ランキング 4,281,598位 ランクブルー
川口 日向 LV40 ランキング 65,356,482位
「日向ちゃんも随分強くなっちゃったねー、一眠りした後でステータスの調整とかしてあげるからね」
「ありがとうございます! 楽しみです」
「樹里さんと美穂さんは、これで特務隊の正式隊員になれるんじゃないですか?」
「うーん……そうなんだけど、さっき美穂とも話してたんだけど、特務隊に所属するより絶対このまま心愛ちゃんと一緒の方が強くなれるよねって思ってて」
「まぁ間違いじゃないとは思いますけど、胸を張って堂々と特務隊で活躍するのもいいんじゃないですか?」
「樹里の胸なら張れるけど、私は胸張ると制服がきついから……」
「美穂、それって私に喧嘩売ってる?」
「樹里さん、美穂さんは敵認定でいいですよね? もいじゃいましょう」
希がいきなり美穂さんの胸を鷲掴みにした。
「ちょっ希ちゃんやめてー伸びちゃうから」
「ダメです許せません、たるませます」
「希、みんな疲れてるんだから余計に疲れるようなことはしないの! お風呂から上がったらすぐに寝るよ」
「はーい。先輩と一緒のベッドで寝れるなら了解です」
「却下!」
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