第91話 スキル取引って商売に出来ないかな?

「樹里、美穂。マジでゴメン」


「冬月二尉、連絡くらい入れてくれてもいいじゃないですか、ずっと何も食べずに待ってたんですよ」


「お土産! 超有名店の極上焼肉弁当だよ!! すっごいお値段も高級なんだから機嫌直して」


「これだけじゃダメです。今度そのお店で極上塩タン三人前ずつで、機嫌直ります」

「あそこの、極上塩タンって……一人前三千円超えだよ?」


「楽しみだね、美穂」

「はい、部下思いの素敵な先輩で良かったね樹里」


 どんよりと肩を落とす、美咲の姿があった。


 ◇◆◇◆ 


 流石に、お腹いっぱいだし、今日はお料理は止めて置こうかな、だって空腹が最高の調味料だしね。

 どうせ作るなら、より美味しく楽しめる時の方が良いよね。


 さぁてちょっとステータスの確認して置こうかな。


 柊 心愛 17歳(女) レベル50  ランキング  753,185位 ランクイエロー


HP 10000

MP  1000

攻撃力  150

防御力  100 

敏捷性  100 

魔攻力  150 

魔防力  100  

知能   100  

運    150  


ポイント   0


スキル:【鑑定】【超成長】【ステータス調整】【アイテムボックス】【聖魔法】【パーティ作成】【水魔法】【転移魔法】【火魔法】【トラップキャンセル】【氷魔法】【オーブ作成】【並列魔法】【風魔法】【シークレット】【雷魔法】【身体強化】【土魔法】【スキル細分化】【ダンジョン通信】


 振り分けて、これでいいかな。

 この振り分けだけは、絶対に私からは他の人に、流出させないよにしなきゃね。

 きっとこのスキルが、私のアドバンテージになるだろうしね。


 明日はボス戦の途中でパーティの作成が出来るかどうかの実験かぁ、出来たら随分可能性が広がるよね。


 今日は希ゆっくりできたかな?

 と思ってたら希から電話がかかって来た。


『先輩、何してますかぁ』

『もう寝ようと思ってたところだよ』


『希、何してんだろうな? とか思ってくれてたんじゃないんですか?』

『なんで解るの?』


『それは、愛の力です。私がそう思ったから先輩もそう思ってくれてたら良いなと思って電話してみたんですよぉ。ビンゴだったみたいで嬉しいです。明日は朝お迎えに行きますね』

『あ、そう言えばまだ伝えて無かったね。【D-CAN】ね、冴羽さんに社長やってもらう事にしたの。それでね、会社として何か目標みたいなの決めようっていう話しになってね希も何か考えて置いてね』


『なんか、随分急な展開ですね、先輩大丈夫ですか? 冴羽さんって、何だか凄い頭の良さそうな人だから、油断できないって言うか、素直に信じちゃダメな気がしますぅ』

『そうかな? 私はとりあえず信じてみて良いかな? って思ったからきっと大丈夫だよ』


『先輩がそう言うなら良いですけど、何かあった時には我慢とかしないで下さいね』

『ありがとう。解ったよ。じゃぁまた明日ね』


 意外に希って、冷静に考えてるのかな?

 でも会社の目標かぁ。

 冴羽さんも何個か用意するって言ってたし、丸投げでもいいんだけど何か自分でも提案はして見たいな。


 どうせなら、笑顔になれる人が増えて、ダンジョンの存在が役に立つ様な何かが無いかなぁ?

 うーん、難しいなぁ


 笑顔と言えば遊び要素かな? アイテムボックスの機能を巾着袋に付与して、スキルオーブの取引所とか作るのはどうかな?


 スキル細分化で、時間停止だけを付与して、容量なんかは増えない巾着袋とか造れそうだし。

 それを使ったスキル取引の活性化はどうかな?


 スキル取引を仲介できる会社になって、世界中に貢献するとかいいかもね。

 それなら取引に本当に必要なオーブを私が紛れ込ませることも出来るし。

 探索者の人達も、ちゃんとスキルオーブが取引して貰えるなら、まさに宝くじが当たったような喜びが味わえるよね。


 これ提案してみようかな。


 ◇◆◇◆ 


「先ぱーい、おっはよーございますー。ゴールデンウイークって丸々休みにしてほしいですよねー」

「おはよう希、その割には随分元気だね」


「そりゃぁもう昨日吸えなかった先輩成分たっぷりの空気を吸えるこの一瞬こそが、真田希の至高の刻ですから」

「なんだか嬉しいような気もするけど、素直に喜ぶのは絶対にダメな思考だよね、それ?」


「あら、心愛ちゃんの私に対しての行動と基本変わらないじゃん。あんまり言えないよ?」

「えぇ、杏さんそんな事ないですよー」


「心愛ちゃんって、そんな性癖なの? 私達ならいつでもウエルカムだよ?」

「チョッ、樹里さん、美穂さん。それ違いますから。私は絶対ノーマルですからー」


「何、朝から百合百合しい空気感全開なのよ、朝は爽やかにラジオ体操でもして居なさい」

「二尉は、朝からまじめすぎます」


「そんな事言ってると、二人きりでダンジョンの十五層くらいに放り込むよ?」

「すいません言い過ぎました。勘弁してください。せめて極上塩タン食べるまでは死ねません」


「でも二人とも今日からは冗談抜きにして、心愛ちゃんが学校で授業受けている時間は、私と三人で博多ダンジョンを攻略に行くわよ。心愛ちゃんの潜る階層に付いて行けない護衛じゃ話にならないからね」

「了解です、頑張ります」


「美咲さん、放課後は直接下関に行きますから、君川さんに十六時スタートと伝えて置いて下さいね」

「了解心愛ちゃん。学校頑張って来てね」


「はい、行って来まーす」

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