第42話 ダンジョンの秘密

 今日は結構頑張って狩りをしたからステータス鑑定が楽しみだよ。


【鑑定】


柊 心愛 17歳(女) レベル23 ランキング1,086,542,851位


HP 2800/2800

MP  280/280

攻撃力  58  +-

防御力  28  +-  

敏捷性  28  +-

魔攻力  58  +-

魔防力  28  +-

知能   28  +-

運   116  +-


ポイント 30  +-


スキル:【鑑定】【超成長】【ステータス調整】【アイテムボックス】【聖魔法】【水魔法】【転移魔法】【氷魔法】【オーブ作成】


 凄い! ランキング四億人くらい抜いちゃってるよ。

 きっとこれは、超成長が二段階目に移行した効果だよね。


 希はどうかな?


真田 希 16歳(女) LV15  ランキング 1,584,259,252位


HP 3100

MP  150

攻撃力  32 

防御力  31

敏捷性  31

魔攻力  15

魔防力  15

知能   15

運    56


ポイント 60 


 上がっちゃってるねぇ、ちょっと前までの私と変わんないじゃん。


 希のポイントは振り分けて置こう。


HP 4000

MP  200

攻撃力  50 

防御力  40

敏捷性  40

魔攻力  20

魔防力  20

知能   20

運    65


ポイント  0 


 うん、こんな感じでいいでしょう。


「先輩? ステータスいじりましたか?」

「そうだよ、随分希も強くなっちゃったよね。振り分けをしてない人たちから比べたら、現時点の希でももう国内トップクラスの探索者だと思うよ」


「私、凄いんですか? 自慢できるくらいに?」

「希、人前で自慢なんてしたら、ステータス全部レベル一の人と同じにしちゃうからね」


「先輩、自慢なんて絶対しませんから、それは勘弁してくださいー」

「本当に大丈夫だろね? それがあるから希に魔法を覚えさせるのに躊躇してるんだよね」


 あ、ちょっといい事思い付いちゃったね。

 ダンジョン内で悪い事した人見かけたら、ステータス下げちゃったらいいかも。

 

 そっか! 希も魔法覚えさせて悪用しちゃったら、知能を0まで下げてしまえばMPが無いから使えなくなるのか。

 それなら覚えさせるのもありだね。


「希、魔法使いたいでしょ?」

「先輩、使える様にして貰えるんですか?」


「絶対人に喋らない、悪用しないって約束してよ」

「解りましたぁ約束は守ります」


「それじゃ御馳走してあげるね」

「え? 先輩の手料理ですか?」


「そうだよ」

「嬉しいけど、それと魔法に関係あるんですか?」


「まぁ黙って食べてみて」

「わぁすっごく綺麗です。これって食べれるお料理なんですか?」


「そうだよ、ダンジョン産のウサギを使った煮凝りだよ、野菜の色合いが綺麗でしょ?」

「はい、いただきます。わぁ滅茶苦茶美味しいですー、ウサギのお肉も柔らかいんですねー」


「そうでしょ、で、どう? 何か変化はあったかな」

「あああ凄いです! 性魔法覚えちゃいました! これで先輩との秘事ひめごとが堂々と出来る様になりますね!」


「希、確かに言葉で聞こえるだけだから、音は一緒だけど……それは酷すぎるでしょ。少なくとも女子高生がそれで喜ばないでよね」

「ちゃんと判ってますって先輩が使ってるの見てるし」


「ちょっと聞いて見たかった事あるんだけど」

「なんですか?」


「希は鑑定持っていないけど、今覚えた聖魔法の内容は表示されてるの?」

「えーと今のレベルで使える様になった分だけが表示されてる感じなのかな?」


「じゃぁヒール、ハイヒール、ホーリーアロー、ホーリーシャワーの四つって事なの?」

「ですですー」


「そうなんだね。後は水魔法と氷魔法の二種類を覚えて貰うからね」

「超嬉しいですー」


『酢豚』と『マグロ西京焼きのチリ蒸し仕立て』を食べて貰って二種類の魔法を覚えた。

 これで戦闘に関しては、現時点で希は世界で私の次くらいに強いかもしれないよね。


「希、魔法を覚えたから、もう一回ステータスいじっておくね。そのままじゃ魔法関係が弱いから」

「解りましたぁ」



HP 3000

MP  300

攻撃力  50 

防御力  30

敏捷性  30

魔攻力  30

魔防力  30

知能   30

運    55


「明日は希の魔法の練習もかねて、人の少ない二層で狩るからね」

「早く明日にならないかなぁ」


「一人で練習とか言って使ったら、MP0に固定しちゃうからね」

「ひゃあぁゴメンなさい、勘弁してください」


「その謝り方は……今から行くつもりだったんだね……」

「ヒッションニャコト無いですよ。今から日向ちゃんのとこによって今日の撮影データを渡して帰ります」


「あ、日向ちゃんのとこって遠いの?」

「いえ、チャリだと五分もかかんないですよ」


「ねー今から日向ちゃんも一緒に出掛けられないかな。朝言ってた配信用の道具を買いに行きたいんだけど」

「ちょっと電話してみますね。まだ六時前だし、おそらく大丈夫だと思います」


 日向ちゃんに電話した希が手で大きな丸を作った。


「今から日向ちゃんがこっちに来るそうです」

「そう、良かった。天神の大型家電ショップに行こうね」


「了解ですー」


 それから五分ほどで日向ちゃんが食堂に来て三人で一緒に電気屋さんに向かった。

 インカム型でヘッドホンの耳の部分にカメラの付いたアクティブカメラやキッチンスタジオ用のカメラを日向ちゃんやお店の人のアドバイスを聞きながら購入した。


 アクティブカメラは私用と希用の二台購入したよ。

 今までのスマホを肩に固定する形だと首の動きにカメラが付いて行かなかったから、これからは更に動画の質もよくなるはずだ。


 日向ちゃんが私に話しかけてきた。


「心愛先輩、新しい動画できましたよ。もちろん魔法とか使ってる部分は無しです」

「ありがとう日向ちゃん。後で確認してOKだったらそのままアップ頼むね。それと収益化が通ったら当然日向ちゃんにも手数料って言うかバイト代は弾むからね」


「わー助かります。気合い入れて先輩の魅力を発信しますね。先輩がカメラを装着してくれるなら希の画像も映るようなるから、もっと人気出ますよ。ツルペタロリ需要も配信の世界ではきっとあるはずですから!」

「日向! ひどいよそれ」


 大量の撮影機材を購入した後は天神のカフェでデザートを二人に奢ってから家に戻ったよ。


 ◇◆◇◆ 


「あれ? 大島さんSランクの専任担当になって、出勤の必要無くなったんじゃ無かったの? もしかしてもう担当外されちゃったとか?」

「そんな訳無いじゃない。今日はクライアントのドロップの納品で寄っただけだし、ちょっと鑑定ルーペ借りるわね」


「了解でーす」


 私は自分なりに授かったスキルの確認をしたいと思い、探索者が極端に減る夜の九時の時間に協会を訪れた。


 アイテムボックスの中に、心愛ちゃんの食堂に置いてあった大量のアイテムを放り込んで来ているので、鑑定するアイテムには困らない。


 一通りの鑑定をルーペとスキルでしてみたけど、ルーペの鑑定がオモチャに見えちゃうね。

 これならダンジョンアイテムを使った魔道具制作へ向けてのアドバイスも出来るようになるかもしれない。


 さぁて明日は朝から会社設立関係の書類とか揃えて、印鑑屋さんに社印を頼みに行かないといけないし忙しくなるわね。


 そう思って協会から一歩出てダンジョンの入口を眺めた。

 【鑑定】スキルか……と思った時にそれは見えた。


 NO386ダンジョン 階層数42 Cクラス 現在到達階数22


「えええええ? 何ですって、こんな情報誰も知らないよ。世界中のダンジョンは一つづつステータスが存在するって事なの?」


 これは、どうしよう。

 まず心愛ちゃんに知らせるとして、どう対処するべきかの私なりの考えを持って話した方が良いわね……

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