第5話

 大学生活は鬱でも躁でもない状態でスタートしたと思う。ただここでは陽キャと呼ばれる集団に属することはなかった。と思ったけどバスケ部に入ったので繋がりはあった、それも後述するように学校に行かなくなるので、繋がりは絶たれるのだが。

 今までの人生は落ちたり浮いたりしながらも陽キャ集団との繋がりがあった。それがなくなり、普通の集団の仲間になった。


 大学に入って一年目、PCとネット環境を得た俺はオンラインゲームにいそしんだりした。ニコ生が開始されて配信をしたりしてどっぷりネットにハマっていたと思う。そして睡眠不足から生活バランスを崩し、前期の後半くらいから朝起きれなくなり授業の欠席が続いた。そして出席不足から半分くらいの単位を落としたはず。


 夏休みに入りさらにネットにつかり、生活バランスは崩れ体調は悪化していった。

 後期が始まって一週間で学校にいかなくなり、昼夜逆転の生活が続いた。そして後期の単位は当然0、留年が確定した。


 これではまずいと思ったが、結局2年目も同じような生活を繰り返した。この時はただの甘えかもしれないし、病気のせいかもしれない。今でも分からない。ただ調子がよかったりして授業に出た時期もあったので多分病気のせいだと思いたい。


 2年生の終わりに必要な単位が足りていなかったため留年することとなった。ここでようやく病院にいくことにした。なんとかメンタルクリニックで睡眠導入剤をとりあえず出されたと思う。特に鬱とかいう診断はされなかった。状態が改善した感じになって3年目(2年生)は割りと順調だった。相変わらず調子がいいのは2か月と続かなかったが、なんとか単位を取って3年生になった。


 3年生になると就活が始まり、これがまた俺の鬱を悪化させた。これから逃げるように研究室に入って結論を先延ばしにした。


 4年生になって研究室に入って卒論に精を出したが、ここでもまた引きこもってしまう。俺の鬱状態には段階があり、まず洗濯物が片付けられなくなる。洗い物も出来なくなる。風呂に入るのが億劫になる。歯を磨くのが面倒になる。生活の様々な行動が苦痛になってくる。さらに夜寝れない、ゲームをする、睡眠時間が取れない。余計に眠くなるのコンボで悪化していく。


 ここは気合とメンタルクリニックに通い、鬱と診断され薬を飲んだが特に効いた感じはしなかった。なんとか卒論をそろえ大学院へと進むこととなった。


 この時期母のガンが見つかり、最終的に1年後に死亡するのだが、この時はまだ全然真剣に人の死を実感することが出来ていなかった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る