二◯二四年 七月

洗硯の夜に投ず清き一票


勝烏明るいほうへ飛びなされ


夏の蝶瀝青に臥し雨を待つ


ルドベキア吾子の裾にも並びたり


漕ぎ出でぬビニルプールのお舟乗り


明易やベイカリーの竈開く


一年ひととせで甚平箪笥へ仕舞う児や


沙羅双樹十九の墓標なお白し


山百合や忘るるなかれ悔しさを


乗り過ごす黄色の列車夏の夕

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