イエスタデイをつんで

冬野 暉

二◯二三年

二○二三年 一月

若き年たたと呼びたる舌の丈


月白く宇宙そらまで透ける冬の朝


伸びをするせいみひらく寒暁や


列車にてふくら雀の物思い


氷雨ひうの朝バット振りたる少年よ


古傘や軋み数えて十年ととせの冬


冬茜影絵の街に灯は点り


寒風と踊る子に見ゆ白兎


明け暗れに昔のコート去りにけり


冬の陽や発車待ちの窓に映ゆ

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