事故で右手の力を失った彩音は、絶望のなか、万魔殿(パンデモニウム)への扉を開きます。
そこにいたのは大悪魔アスモデウスの他に、案内人のナナシ、絶世の美女リリエラ、不気味な大男、黒猫のクロといった、生きるために必要な《何か》を失った者たちでした。
かわいいナナシくん、美しくてたくましいリリエラ、黒猫のクロとの生活は(やたらと襲いかかる大男さえいなければ)穏やかなものです。
五幕と六幕では、リリエラとナナシの衝撃的な過去と、ここに来たいきさつが語られます。ここから物語は一段と面白くなり、深みを増していきます。
この先はネタバレになるので書けませんが、終幕の文章には鳥肌が立ちました。
とにかく読んでみて欲しい、素晴らしい物語です!