第4話 くしの日/『髪は女の命呪縛』

娘の髪を梳いてやる。

やせ細ってうねりがあり、白髪交じりの私と違って、黒々と艶やかで真っ直ぐな。

櫛がひっかかることなく、スーッと下までおりていく。

「羨ましい……」

女として嫉妬し、それを隠しもせずに漏らしてしまうのは、私がいかに母親に向いていないかという証拠な気がしてしまいます。




◆9月4日は「くしの日」/2023年9月4日作

#140字小説 『髪は女の命呪縛』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る