タヌキング、ウルトラマンレオを語る

タヌキング

獅子の瞳が輝いて

タヌキングは特撮が結構好きで、色々見ている。

それで特撮の代表格の一つのウルトラマン。その中で一番好きなモノを挙げろと言われれば、そりゃ勿論ウルトラマンレオである。

故郷を奪われた男が、強敵たちを戦い、敗北する度に特訓をして、ボロボロになりながら勝利を掴み取る姿は尊敬に値する。

というわけで今回はウルトラマンレオについて語っていこう。


ウルトラマンレオの特異な点といえば、他のウルトラマンと出身の星が違うことである。M78星雲光の国じゃなく、獅子座L77星出身であり、しかも故郷の星をマグマ星人に滅ぼされている。

最初からヘビーな設定だが、それゆえに私の心はガッシリ掴まれてしまったのである。


あと特異な点がもう一つあり、それは地球防衛を担う組織MAC(マック)の隊長がウルトラセブンことモロボシダンなのである。ウルトラセブンの後に如何にして彼が地球に帰ってきたかは語られなかったが、前の作品のウルトラマンが隊長とか熱すぎる展開である。

ここでウルトラマン初心者の人は「セブン居るならレオが居る意味ないじゃん」とか思うだろうが、そうにはいかない。

セブンはウルトラマンレオ1話にて、一対三の苦境に立たされ、片足をへし折られてしまう。その後レオが助けに来て敵は撤退して行ったが、それ以降ダンがセブンに変身することは無く、レオのサポートに徹することになった。


ウルトラマンレオの序盤から中盤の流れとして定番なのは、一度敵に負けたり、敵の攻撃に備える為、ダンに無茶苦茶な特訓をさせられ、そこで敵の攻略法を見つけるというものがある。

滝を素手で割れだの、敵を見立てた装置と戦うだの無茶苦茶な特訓をさせられ、涙を流し心折れそうになるゲン(レオの人間の時の名前)だが、そんな時ダンはゲンを労うのでなく叱咤する。


「その涙はなんだ!?お前の涙で地球が救えるのか!?」


あまりに厳しいダン。地球を救うためとはいえ、鬼のような教官ぶりである。

真顔でブーメランを至近距離で投げ続けたり、ジープでゲンを轢きに行くのは常軌を逸していたが、それが物語のエッセンスにもなっていた。


レオはよく負けるので、弱い印象を持っている人もいるかもしれないが、地球での活動時間が他のウルトラマンより短かったり、レオに出てから星獣が強かったりするのが原因であり、別にレオが弱いわけでは無いと、彼の名誉のためにも言っておこう。


苦戦を強いられながらも、何とか地球の平和を守り続けるレオ。生き別れになった弟のアストラとの再会、長老であるウルトラマンキングの登場、セブンガーという鬼強い仲間が出たり、ババルウ星人の一件で7番目のウルトラ兄弟と認められたりして、身も心も成長して頼もしくなったウルトラマンレオ。

だが、そんな彼を嘲笑うかのように、ラストクールの円盤星獣編が待ち構えている。

円盤星獣シルバーブルーメによって、基地であるMACステーションは捕食、ダンは行方不明、ゲンの身近な人達の死亡。

これによりゲンは生き残ったトオル少年と二人になり、孤独な戦いへと身を投じていくことになる。

……これリアタイで見てた人は何を思っていたのかメチャクチャ気になる。トオル君の妹のカオルちゃんとか、少し前にマゼラン星人から助けられたばかりなのに、ここで殺すのかよと本当に可哀想になった。

母を病気で亡くし、父を星人に惨殺され、たった一人の肉親の妹すら殺されたトオル君のメンタルはボロボロになっており、円盤星獣ノーバの回にてその様子が描かれている。トオル君は可哀想だが、こういうところをなぁなぁで済まさずにちゃんと描くところが素晴らしい。


一人孤独に戦うことを強いられるレオだが、これまでの激しい戦いの経験が彼を支え、まさに獅子奮迅の活躍で地球を守り抜いて行く。卑怯な敵によって体をバラバラにされたりしたが、そこはキングが来て何とかなったから良し。

最後の円盤星獣ブラックエンドとの戦いにおいて、子供達を人質に取られ劣勢に立たされるレオだったが、その子供達の活躍により攻勢に転じ、レオは最後の敵を倒すことに成功したのである。

その後、お世話になった人達、トオル君に別れを告げ、ゲンは変身アイテムである指輪の獅子の瞳を外して、自分の足で第二の故郷となった地球を旅し始めて物語は締めくくられるが、その時の爽やかも良いモノである。


ウルトラマンメビウスの客演回にて今度は師となりメビウスを叱咤する姿も考え深いものがあった。


さてさて、長々と語ってしまったし、何ならネタバレも存分にしてしまったが、百聞は一見にしかず。どうか機会があればウルトラマンレオをご覧になって欲しい。

レオーー!!ってね。



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