第203話駒場にバッタを見た!
昨日ばったりと、道端で昔の友達と会った。
「お前この頃、どうしてるんだ?」
と、言われたのだが、まだ、福祉作業所で働いているとは、とても言えなかったし。
「俺は今、係長なんだ」
と、言われた時。昔、僕ばかり仕事させて、楽してたヤツが係長になるとはがっかりしたし。
「車で送っていくよ!」
と、自慢のBMWを見せられて、頭がクラクラしたし、
「俺はマイホームを建てたが、お前、どこに住んでいるんだ?」
と、言われたのだが、
駒場の傾いた、賃貸マンションに住んでいるとはとても言えなかったし、
「悪い、今日は今から人と会うんだ」
と、言ってBMWを断った。
「また、会ったら飲もうな」
と、言われて僕はただ笑っているだけだった。
僕は、小さな声で、
「成る程、お前は今、マイホームを建て、BMWにのるのが普通なのだろうが、バッタなんて見たこともないだろう」ってさ。
昨日、堀川を歩いていたら、空は嘘みたいにキレイだったし、そして地上にはバッタが遊んでたし。
もし、あんたが瑞穂にきたら駒場に来るといいよ、金持ちやBMWはいない代わりに、バッタの一匹ぐらい遊んでいるさ。
(なぎら健壱さんの歌のパロディー)
本日の読み切りエッセイ、これまで!
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