こんな夜は

最近テキスタイルデザイナーの仕事を始めた。周りには楽しくやりがいがあり、学ぶことも多いと吹聴しているが、当の本人である自分は、これが正解なのかといまだに迷ったりする。もっと作りたいものがこの世の中には溢れているのではないか、と。

恋人がエッセイを執筆してみようかと言っていた。とてもいいと思う。自分にとってエッセイは日記でもなく、誰かに褒めてもらえるようなものでもなく、唯一、自分自身を曝け出せる場所なのである。恋人にとってもそうなる存在になってほしい。

たくさんの人間関係が存在する中、本当の自分100%だせる人間など、この世には存在しないと思う。自分だけが唯一の友達であり、最高の友達なのだ。こんなことを言っているから友達と揉めてわざわざ話し合いの場を設けてしまうのであろうか。

 他人に素直になるのは非常に難しい。生まれた瞬間から人生を共にしている両親ですら、心を開き素直に接するのは難しいものである。やはり胎内から共に人生を歩んできた自分こそ、至高の友なのである。しかしそんな自分でさえ、自分自身のことがわからなくなることがある。周りからの意見を間に受けすぎているところもあると思うが、正直生きている限りは周りから見えた自分が自分なのだ。それと自分が思う自分が相違していた時、絶望する。自分とは…と考える時間が非常に苦手だ。他人からも自らも図星をつかれるのはキライだ。しかしこのエッセイもそんな自分と向き合うために執筆しているのだなと思うと、人間とは…という思考に陥る。自分はなんて大衆的な人間であり、ロマンの抱ける動物なのであとうと自覚した。

 案の定、本日も酒を飲んでいるのである。

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