物語と酒
なぜこんなにも物語とアルコールの親和性は高いのか。
自分は物語が好きだ。他人の人生に入り込んだ気がして。いや、他人の人生に入り込むことが好きなのかもしれない。エッセイなんかも、よく読んでいる。たとえそのエッセイが不幸なものだとしても、自分は魅力を感じる。きっと、一人でいるのが好きなようで、同じようにこの生活を紡ぐ他人の世界を見てみたいのかもしれない。最近、理由もなく不安になることがある。グラフィックデザイナーとして働けることが確定したのに、なぜか漠然と不安を抱えながら生きている。きっとその不安は自分についてではなくて、自分を取り囲むことへの不安だ。夢を確立させ、計画立ててさまざまな考えを張り巡らせた。しかし、漠然とした不安は消えない。なぜだろうか。不安が消えないことに対しての不安がさらに降り積もる。
自分を見失うことが怖い。だから一人だと感じられることが好きだ。愛している人が離れていくことよりも、自分を見失うことが怖い。いつか、平凡に落ち着きたいと考えてしまっている自分が怖い。自分を自分でいさせてくれる物語とアルコールが好きだ。丸裸の、自分を知る誰にも知られたくない自分を出すことは本当に難しい。このエッセイをシラフで綴ることもたいへんだ。丸裸の自分を愛する人にみせることが怖い。だが、見せないうちにどんどん距離は開いていく。
将来の夢は好きなアーティストと仕事をすることだ。今の自分はそれに向かって着実に近いていると思う。なにかを作ることへの恐怖をしっかりと、感じているからだ。
いつか展示をしたい。いや、来年の春にはできていることを願う。誰にも何も響かなくても、自分の本当の姿を大衆にさらけだすことに意味がある。たとえ赤字だったとしても、誰かに一瞬でも本当の自分をみてもらうことに意味がある。
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