良いこと

@jinnai_85

移りゆく人生

 今日私は本当に、深夜一時半には布団に入って、一本だけドラマを見て三時には寝ようと思っていた。だがしかし、そう簡単には眠れない。眠れない理由についてぐるぐると考えていたら、執筆したくなったのだ。

 少し前に、散歩している時にハリーポッターに出てくるフクロウのヘドウィグみたいな形の雲を発見した。写真を撮ろうと思ったが、前から歩いてくる人がいて、「うわ、コイツ、空の写真なんか撮っちゃってるよ。」と思われるのが嫌で立ち止まって撮ることはなかった。その人とすれ違い、さあ写真を撮ろう。と思って空を見上げると、そこにヘドウィグはいなかった。おそらく、ひとつの雲でなく、複数の雲が重なってたおかげでヘドウィグに見えていたのだろう。微妙に残念な気持ちになり、やっぱり空は移り変わりゆくものなのだなあと思った。人の思考や感情も似て等しいところがあると思う。なので、今考え感じていることを書き留めないと、すぐに忘れてしまうと思い、寝ようとするのをやめてみたのだ。

 なぜ、期待してはいけないと思えば思うほど、人は期待してしまうものか。今日行った面接で、自分の作品をたくさん褒められたし、人柄まで褒められた。それなのに、「ぶっちゃけるとお金がないから雇用はしないと思うけど、この先仕事を委託したいと考えている。」と。どういうことだ。では、自分はなぜ今日暑い中15分ほど歩いて会社を訪れたというのだ。全てが台無しになった気がした。というか、これはもう不採用だろう。しかし一応結果連絡はメールでするので。と言われた。いや、不採用だろう。ワンチャンあるかもしれない…なんて考えて、眠れない。というかもう、不採用だろう。ワンチャンが起こることを期待してはいけないという強い思いがバネとなって、逆に期待してしまっているのだ。自分はそういう人間なのだ。そして期待した結果は、ほぼ100パーセントで期待に沿うことことはない。しかし、ほぼ100パーセント期待に沿ったことがない、という事実こそが、逆に期待の背中を押している。人間が愚かなのか、ただ単に自分が愚かすぎるだけなのか、わからないが、これを執筆しながらもなお、ワンチャンがあるのではないかと思っている。

 今週はじめに面接に行った会社は、受かるとも思ってないし、失礼だがむしろあまり働きたくないと思っている会社だった。自分にはかなり向いていないと思われる、半肉体労働環境だったからだ。あまり期待を抱かずに面接に向かい、面接を受けている最中も、やっぱり不採用だろうなぁなんて思いながらそこにいた。とにかく、そこにいたって感じだった。時間が経つにつれ、なぜか初対面の人に微妙な説教を受けるなどした。お金をもらいたいくらいに、なんとも微妙な気持ちだったし、頷いたり相手の目をしっかりと見たりなどしていたため、尋常じゃなく肩がこり始めた。腰掛けの高さも絶妙に自分の体とアンマッチだったのも要因だったのかもしれない。説教されてるし、これはもう無理だろう。説教されている途中から自分は、初対面の人に説教するなんて、なんて会社だ。こっちから願い下げだし、不採用とて痛くも痒くもないわ。と思った矢先、なぜかその場で採用になった。面接しているなかで、自分の良いところはひとつもなかったはずだ。怖い。きっと訳ありで従業員を確保せねばならんのだろう。そして、会社への印象が最悪になったおかげで不採用になった暁にもストレスを受けずに済むと安堵していたのに、逆に採用になることで、辞退せねばならないというストレスに襲われた。自分は、どこまで行っても何をしても、ストレスがついて回る運命なのだと思う。

 上記の採用の件に顕著に表れているのだが、自分は昔から期待してる方は掴めなくて、全く期待もしていない方を掴むことが多い。小学生のころに好きな子がいて、その子からは全く好かれなかったのに、鼻水を垂らしながら鉛筆をガジガジしている子には好かれたのだ。結局何をするにもいいことがない気がする。今日駅のホームで電車を待っている時に、なんだかそう思った。自分はとことん、ついていない。なんでも人のせい環境のせいな自己主義な自分は、誰かに運を吸い取られているせいだとしか考えられない。そんな自分になってしまったことも、とことん運のついていない人生だなと思う。

 なんか良いこと、ないかね〜。

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