スライムの恩返し ~七変化するあの娘に翻弄される!?~
海星めりい
プロローグ
//SE 玄関のドア開く音
「お帰りなさーい!」// 元気な感じ
「どうしたんですか? そんなに目を擦って? 目にゴミでも入っちゃいましたか?」
//SE歩み寄ってくる音
「入ってはいないみたいです。良かったぁ」
//ほっと息を吐く
「え? 見間違いかと思った? ふふっ、見間違いじゃありませんよ。ちゃーんと存在しています。ね?」
//SE 手に軽く触れる音
「んー? 私が誰か……ですか?」
「もしかして、この姿じゃ分かりませんか? これで分かるかと思ったけど……そっか、会ったときは人型じゃ無かったから……うんしょ、うんしょ、えい!」
//SE軽い水音 少しの長めの間
「この丸い形なら分かりますか?」
「そ、そうです、そうです! この前、側溝に詰まっていたスライムです!」//嬉しそうな感じ
//SE再び軽い水音
「あの時は助けていただいたのに……お兄さんの服を汚してしまってすいませんでした」
//SE 頭を下げる音
「お兄さん、急いでいたのかすぐ去ってしまって、お礼も言えずじまいでしたから……」
//SE 頭を上げる音
「当たり前のことをしただけ……ですか?」
「で、でも、他に何人か通りましたけど、お兄さんが来るまで……誰も助けてくれませんでしたよ? だから、お兄さんは私にとって恩人なんです!」
//SE手を握る音
「ん? 私の身体をじっと見て、何か気になることでもありましたか?」
「ひょっとして、私の身体の色が違うことですか?」
「詰まっていたときは茶色でしたから……私も恥ずかしかったんです」//照れた感じ
「あ、今は大丈夫ですよ。身体のお水は富士のわき水に変えてきましたから綺麗です! 万が一にも、お兄さんのお部屋を汚すわけにはいきませんから……」
「反応が薄いですね……あ、もしかして、海洋深層水の方がお好みでしたか?」
「ちょっと大変ですけど、お兄さんが望むなら今からでも入れ替えてきます!」//ムン、と意気込む感じ
「そういうことじゃない? じゃあ、何が気になっているんですか?」
「え? 私がここに来た目的ですか?」
「えっとですね……それはもちろん。お兄さんに恩返しをしに来たんです!」
//少しの間
「ど、どうして何も反応してくれないんですか?」//不安そうに
「い、嫌ですか? スライムが恩返しするのは……ダメですか?」//懇願する感じ
「よ、良かったぁ! お兄さんに否定されたらどうしようかと思っちゃいました!」
「えへへ、お兄さんは優しい人です」
「そんなお兄さんに喜んで貰おうと、私、人間のことをたくさん勉強してきたんです!」
「スライムの特性を生かして、お兄さんにたーっぷり恩返ししちゃいます!!」
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