第11話 泥沼

 【ブレイブ】や『カンキョウ』を使っていくが、一向に敵が減る様子がない。皆、疲弊していく。

 ユウヤはこのままではまずいということで、他の攻略者や討伐隊と組んで進んでいった。ユウヤは、キャリーを探す討伐隊の一人と会話をする。


「人を使って、人形ゴーレムを作るとは趣味が悪いね」

「はい。確定の情報ではないですが、解体してみれば人の体を使っているものと見て、問題ないでしょう。他には、キャリーが魂に関するスキルを持っていると考えています」

「ほう? 魂か……。どうやって、調査したんだい?」

「秘密です」

「秘密、かぁー。まぁ、ユウヤ君は、冒険者ギルドから太鼓判を押されているし、多少は信じよう」


 パーティーで積極的に情報共有もした。人形は、ある程度手足のバランスが異なるので、人間と思わせての奇襲は無かった。

 顔すらツギハギの人形が現れた。


「俺が行く」


 ユウヤがそう行って、突撃する。人形は体のバランスが悪いため、一気に動くためには溜めがいるらしい。ユウヤの体当たりをくらうと人形は、よろめき、我慢出来ずに倒れた。ユウヤはその隙をついて飛び上がり、剣を投擲し首に命中させ、地面に着地した。

 剣を抜くと固まった血が剣に付着していた。


「早くいくぞ」


 そう言って、他の場所へ移動しようとした時に轟音が鳴った。アージェスを思わせる響きに驚きながらも、音の方向へ向かっていく。

 明らかに敵の密度が増えていった。

 広い空間に出ると、十メートル程度のゴーレムが待ち構えて、人間をすりつぶしていた。


「うわぁああ!」


 叫声があがった。ゴーレムはその音によってこちらに気が付いたようだ。

 ユウヤがこう言った


「俺がこいつを倒す。お前等は奥に行けー!」

「「「了解」」」


 ユウヤは共鳴で気を引きながら、討伐隊やパーティーの皆はバラバラに散らばって、ゴーレムの間を縫って進む。

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