第8話 討伐隊

 冒険者が集まる理由が気になったので、ナカに聞いてみた。


「どうして、冒険者がこんなに集まってるんだ?」

「どうやら、キャリーが迷宮の中にいることが分かったらしい。それで皆集まって、キャリーを殺ってやろうってなったようだ」


 (聖女が賞金首として紹介してたやつだっけか)ユウヤはナカの言葉を聞いて、自分で納得する。

 数秒後、「あー、あー」と誰かが声を出した。声を頼りに振り向くと、一人の冒険者がいた。

 その人は、一拍置いた後に話し始める。


「キャリー、討伐作戦を開始する。キャリーは……こちらの情報によると九層にいるらしい。各自で距離を取って包囲をするか四、五人のパーティーで戦ってくれ。なお、事前に情報を知らされていない冒険者に関しては、参加をしなくとも構わない。なるべく、こちらの作戦の邪魔はしないでくれ」


 最後に「散開」と言った後に皆が迷宮に進んでいく。「どうする?討伐に行く?」と、クインが聞いてきた。


「おれは行きたい」

「私も行きたいですね」

「行っても構わん」

「行く行く〜」

「皆に同意だね」


 そう言って、迷宮に移動した。


 ◆■◆■◆■


 正直、アビリティのことでユウヤは悩んでいたが、皆は共鳴を拒むことは無かったので、共鳴を使っていく。


「すげー気分がいい?」


 クインがそう言ってきた。何故かは分からないが、知識として共鳴を深く知ろうとして、その一端に触れて能力が強まったようだ。


 試しにゴブリンに共鳴を使ってみると、ユウヤの意思と同調していき、もがき苦しむ。


「す、すごーい」


 ラントーテが言葉を発する。


(少し共鳴について分かった程度でここまで成長するとは思えない。元のユウヤは、もっと深く共鳴のことを知っていたのか)と、軽くユウヤは尊敬してしまった。

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