第47話 エレオノーラと秘密の相談

前回のあらすじ


バックスは放っておけば貴族派閥に消されて情報が得られない危険があったため、策を弄して王家しか知らない牢に移すカスパールとフィリップ。


尋問を行うイルマは敵に対して容赦のない攻めを行うサディストだった。(ここ前回の九割)


貴族派閥の仲間と薬物や奴隷を違法に捌いていたバックスから仲間の名前を聞き出すイルマ。


尋問の末、黒幕の名を魔術によって言えなくされていたバックスに黒幕の名を囁いて絶望に落とし込むイルマ。


楽しそうなイルマ、ボロボロのバックス。仕事が増えたカスパールとフィリップ。


以上前回のあらすじ。以下本編!どうぞ。








「だからね?...そのぉ...わたくしとカスパール殿下がもっと親密になれるように、力を貸してほしいのよ!みさと!」


うまくいってるように見えているけど...あれ?違うの?私の勘違いだった?!


私を混乱の渦に落とし込んだエレオノーラの相談事は、良く晴れた日なのに珍しくお茶会を室内でしたいと言われたある日の出来事...。


あの謁見の日から数週間経った頃、そろそろシルヴァ家のタウンハウスにも顔を出してエレオノーラの両親に挨拶するかと言う頃だった。


お二人の都合で先延ばしになっており、エレオノーラが離宮にある私の部屋まで遊びに来た。


「今日はどうしたの?部屋でって事はなにか相談事?」


「.........最近のフィリップ様の様子から思ったのよ...そのぉ...」


???フィリップ様?


「殿下も紳士的だと思うけど...エレオノーラには特に......ああ、もしかして」


フィリップさんはとても紳士的...優しい。貴族らしくない私にいつも気を使って褒めたり、分からないことを教えてくれる。


それはきっと私が聖女でエレオノーラの親友だから。


異世界から来て何も知らず...可哀そうだから...だから優しい...。


自分で言っててもちょっと情けない...。


「もしかして殿下と何かあったの?」


「...何もないのよ...」


殿下も優しく紳士的な人だ。フィリップさんほど大げさではないけれど、私に優しい。


恐らくだがフィリップさんと同じく...それ以上にこの国の王族として聖女に対して真摯に対応してくれているのだろう。


そしてエレオノーラはこの国の魔術師の中でも凄腕?らしいし公爵家の令嬢で婚約者だ。


エレオノーラの立場に配慮して紳士的に優しく接している......もしかしたらエレオノーラはそう思っているのかもしれないと私の結論は行きついた。


「アルマ、イルマ。ちょっとこっちに...エレオノーラは来ちゃダメ。そこでクッキー食べてて!」


「ず、ずるいわ!わたくし抜きで内緒話ですの!?」


「そう!!!」


部屋の隅に三人固まってコソコソ井戸端会議だ...。


「どうなっているの?私が聖女でエレオノーラが婚約者って立場はあるかもしれないけど、どうみても私とエレオノーラでは対応が違うし、殿下もエレオノーラに惚れてるんじゃないの?!」


「......はい、みさと様の仰る通りで御座います。しかしながらお嬢様には...その、あまり伝わっておらず...」


「殿下はお立場もあるのでお気持ちを伝えきれていないのではないかと」


イルマとアルマがそれぞれ答えてくれる。


「エレオノーラが恋愛事と細かい事に関してポンコツなのは知ってたけど...カスパール殿下はそれを知らない...?」


「正確に理解ははされていないと思います」


え...婚約って結構前だよね?もしかして...。


「殿下って...エレオノーラが初恋かもしれなくて...エレオノーラの気持ちに気付いてない...?」


「「.........」」


二人揃って左右に視線を逸らす。姉妹なだけあって息ピッタリだ。


「どっちもポンコツかよ...私とエレオノーラの印象の大革命はまだ完璧じゃなかったのね...」


頭を抱えて蹲って一旦考えを整理する。ちらっとエレオノーラを見ると捨てられた子犬みたいな目でこちらを凝視している。アルマもイルマもエレオノーラと目を合わせないようにしてる。


あ~正直カスパール殿下と話したことが無かったため、エレオノーラの照れ屋なところは殿下の察しの良さに期待していたところがあった。


だが、途中経過を聞いていたのと実際この目で二人を見て油断していた。


「仕方ない...か。これは、大革命第二回目になるのかな」


私から見たら二人は両想い。エレオノーラは小さい頃に殿下に一目ぼれし、周りの令嬢に嫌がらせするくらい執着していて今でも傍に居たいって雰囲気バリバリだ。


なにより、『勉強?!選ばれし血筋であるわたくしが?』とか言ってたのに、バカは王妃になれないし相手にされないことを分かるまで説明したらそれはそれは熱心に勉強するほどだ。


やればできる子。いや...最早やるまで追い込んだら出来る子エレオノーラである。


しかし、エレオノーラは思ってもないことを言ってしまう照れ屋...めんどくさい悪役令嬢気質な所があり、今でもそれは健在である。


これは一旦エレオノーラからアプローチを増やすよう、再教育するしかない。


黙っていればいずれ結婚する二人だが、王妃になる前に不安は取り除いた方が良い。変にこじれた二人は見たくない。


エレオノーラの元に戻って状況を確認しなければ...。


「エレオノーラ?確認なのだけれど...殿下に好きってきちんと伝えたことはあるの?」


まずは気持ちを伝えなければダメだ。経験の無い私には回りくどい方法を知らない。


直球勝負でしかお互いの気持ちを確かめ合う方法を知らない。


「......それは...その......わ!わたくしは公爵令嬢で!宮廷魔j」


「へぇ...私に対して誤魔化すんだ。へぇ~」


「ごめんなさい。伝えてません。恥ずかしい気持ちが出てしまって...」


ガシャン!


食器か何かが割れる音がして、視線を向けるとアルマとイルマが目を見開いてこちらを見ている。


エレオノーラは居心地悪そうにモジモジしてる。


「申し訳ございません!すぐに代わりを...」


駆け寄って手伝う。


「ふふ、ビックリした?二人もエレオノーラにイラっとしたらちゃんと言わないと調子に乗るからね?ムカついたらきちんと言うか、私に言うんだよ?」


「ああ、いけませんいけません!私共が!姉さん止めて!」


「いいからいいから、はいはい、チャチャっと片づけちゃおうね~」


もはや私を止めることを諦めたアルマにあわあわ可愛いイルマ、まだモジモジしてるエレオノーラ。


このお茶会はまだまだ続く。


ああ、まだまだエレオノーラは世話が焼けるなぁ〜。





-------------------------------------------あとがき-------------------------------------------


エレオノーラと殿下がうまくいっていると思っていたみさと。


どうなるエレオノーラとカスパール!みさともポンコツは負けていないぞ!頑張れフィリップ!


次回もお楽しみに!


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