名状しがたき、あなたの花嫁 —恋する邪神が黒髪美少女になってラブラブ脳クチュご奉仕してくれる―
ゆなはる
触手ご奉仕―恋する邪神の脳みそ弄り―
「おかえりなさいっ!
今日もたくさん頑張りましたね、あなた。
見ればわかりますよ。赤子のような足取りで、今にも倒れそうですから。」
「無理しないでいいんですよ?
全部わたしに任せてください。膝で寝かせてあげますから。」
「ああ、もうっ
そんなに踏ん張られると拒絶されたのかと思っちゃいます。
少しぐらい、甘えてくれてもいいのに…」
「わかってますよ。心配かけたくないことぐらい。
あなたの恋人になって、1年は経ちますし。そういう所が好き、なんですし。
でも、その…恋人なんですから、ね?
少しぐらい甘えてくれたっていいんだけどなーとか思うんです。」
「大丈夫じゃないですよ。無理してるのは見え見えです。
…それならわたしだって、ちょっと強引にしちゃいますから!」
がたっ、むぎゅっ
「はい、ひざまくら、です!
もう立てませんよね。頑張りすぎなんです。
諦めて、あなたの恋人に甘えてください
うんうん、そうやって、ゆっくり、息を吸って…吐いて…それでいいんです」
「…ところで。
わたしの躰は、あなたの好ましい物になっていますか?
この黒く艶やかな髪も、あなたの額を撫でる細い指も
…ちょっと太めの腿の肉も、あなたの望みに沿うようにしましたけど
それでも不安なんです。ちゃんと、私はあなたの理想の女の子ですか」
「…ありがとうございます。
ちょっと、ほっぺが勝手に笑っちゃいます。えへへ。」
「っだめだめだめ。わたしがあなたにしてあげたいのに。
ずっと考えてたんです。どうすればあなたを元気にしてあげられるか…」
うじゅる…うじゅる…
…腐肉が蠢く音がする。彼女は可愛らしく微笑んでいる。
「本当はあなたの傷を作る誰かなんて、無くしちゃえばいいんですけど
それはあなたが嫌だというので…違う方法を考えました。」
ぐちゅっ…ぐちゅちゅっ…
彼女は愛しい彼女のまま、だが。右手の指にかかる彼女の髪が湿って、うねって、指に絡まって這いずり回る。
指先から、肉の感触がする
「感じてくれていますが。あなたの手とつないでいる、わたしの髪の先にあるもの。
これはわたしの逕滓ョ門勣で…
ああ、えっと、分かりやすく言うと触手ですね。
がぎゅぎゅぎゅっ…
優しく微笑む彼女の貌は、紛れもなく恋人の貌だ。
指の先の肉は、神経に刺さるほど冷たいのに、とろけるように柔らかく。
生物の感触がしない。冷めた靄に包まれているかのような。
「ちょ、ちょっとだけ、うねうねしてて気持ち悪いかも、ですけど…
これ、すごい事が出来ちゃうんですよ?」
じゅるるる…ずりゅっ…ずりゅっ…
指先から、それが這い上がってくる。その道筋に、粘り付くなにかを残しながら。
手首を撫でて、二の腕に触れて、首を舐めて───
「苦痛は記憶の反射です。
嫌なことも、苦しかったことも、記憶に無ければ未然に等しい。
だから、嫌なこと、辛い事、全部忘れさせてあげます♡♡」
──うじゅるるるるっ…!
彼女の触手が、耳の中に侵入して。絡まり合った小さな触手がその中で踊っている。
無数の蚯蚓が耳の中に侵入して、奥へ奥へと突き進んでいる。
耳の奥、蚯蚓が目指しているものは…
「あぅ、動かないで…お願いですっ…
もうすぐあなたの右脳に触れるんです。あんまり動かれると、その…
…殺さないように触るのなんて、初めてなので…」
「安心してください。
今、あなたの中に居るのは愛しい恋人です。
わたしに全部預けて、力を抜いて…うん。えらいえらい、です♡」
「このまま感じてくださいね。
あなたの頭の中が、わたしでいっぱいになっていきますよ~♡」
ぐぎゅぎゅっ…みしっ…
「あっ、もう…またビクビクして…
…でもさっきとは違う震え方ですね。もしかして、気持ちいいんですか?
答えは…聞かなくても、そのとろとろのお顔でわかっちゃいますね♡
仕方ないですよ。脳の気持ちいい場所、直接触っちゃってるんですから。」
「人の脳には、ちょっと刺激を与えるだけで気持ちよくなる場所があるんです。
ほんのちょっぴりの刺激で、中毒になっちゃうぐらい気持ちよくなっちゃう場所。
私は今、そこをぐちゅぐちゅに舐め回しながら進んでるので…
…あーあ♡
思いっきり舌を出して、よだれが首まで垂れちゃってます。
そんな顔、わたし以外に見せられませんね。」
「それに、本番はここからです。
もうすぐたどり着きますよ。あなたの記憶が置いてある場所に」
「…あはっ、ありました!
あなたの記憶…私たちの思い出、全部見えちゃいますね。
勿論、なくしちゃうのはわるーい記憶だけです。
あなたの頭の中、わたしとの幸せだけにしてあげますから。」
ぎしっ…ぎしっ…
「まずはひとーつ…ふたーつ…
尊厳を壊す言葉…暴力の痛み…取り除いていきますね…」
ぐちゃっ…ぐちゃっ…
なにかが、頭の中で粉々になっていく。
「わかりますか?
あなたの中から少しずつ、嫌なものがなくなって…
もう、幸せしか思い出せなくなっちゃってる筈です。」
ぐちゃぐちゃぐちゃっ…
数えきれない辛い出来事があったはずだ。だけど、それ以上が思い出せない。
あったはずの場所に、ただ大きな穴だけがある。穴があるということしかわからない。
「これからあなたの中に残るのは…本当に、大事な記憶だけなんです。
あなたの脳は幸せだけを見つめ続けるんです、素敵でしょう?」
ぶちゅ、ぬちゃぁぁ…
「はい、おしまいです。」
脳に満たされていた彼女が、耳から引き抜かれた。
「…どうですか?
わたしちゃんと、あなたを癒してあげられましたか?」
幼い思い出。友人の顔。いつかの家族。何より愛しい、恋人への思い。
幸せな記憶は全て思い出せる。そこに穴はない。
自分が何者かもわかる。生きるための全てが残っている。
本当に、苦しい記憶だけが消えたのだろうか。もうわからないが…
「…幸せ、ですか。えへへ…
わたしがそういう風にしたんですから、当たり前ですっ。
でもなぜだか…言葉にされると、わたしも幸せになっちゃいます」
「あなたは気持ちを言葉にしてくれるから好きです。
もし言葉足らずで、もうちょっとだけ、私が寂しい気持ちになってたら。
…友達とか、家族とか。そんなものも消してしまっていたかもしれませんね。
冗談ですよ?
私にだって、人の心はわかりますから。」
「…さすがに微睡んでいますね。
直接脳を触られるなんて初めてでしょうし、疲れましたよね。
おやすみなさい、わたしのあなた。
ここで見守っていますから。安心して、ゆっくり休んでくださいね。」
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