詩 宝石のような存在だった

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 世界は非情で 皆は敵だ


 俺は一人で生きていける


 そう誓って 今までそう生きてきた


 けれどそこに やってきた


 心の中に踏み入って来た


 誰かが扉をノックした


 拒絶しても 無意味だった


 逃げたって 追いかけてきた


 人に触れれば痛くなる


 心が傷つくはずだからと


 何もしないでいただけなのに


「そこにいてくれるだけでいい」


「それだけで私は救われている」


 その言葉に救われた


 何度も夜が明けていく


 宝石のように大切だった


 気づけば守る存在だった


 失くしたくないと思うように


 消えてほしくないと願うように


 気づけばだんだんそうなっていた


 その輝きを消したくない


 変わってなんてほしくない



「ストーリー」


 だからどうか


 世界の非情に触れないでくれ


 汚いものを見ないでくれ


 そのままで いてほしい


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩 宝石のような存在だった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ