第9話 では何をゴールとするのか

野望の残骸というタイトルの通り、この正体が何なのかを噛み砕いてきた。

しかし「残骸」部分には割とフォーカスされていたのに対して、結局どんな「野望」を持っているのかという点について、ほとんど抽象的なままである。


これは、そのまま僕の心情の答えでもある。何かを成し遂げたいと謳っておきながら、では具体的に何を成し遂げればゴールになるのかをほとんど定めていない。


「有名になりたい」なんてのはいくらでも言える。言うだけ言って行動しないやつがほとんどを占めている中で、僕は行動まではしている方だろう。だが、「行動しているだけマシ」というセリフで甘えているに他ならない。好きなことをして、それがたまたま注目されて、なんてのが理想とされる形だが、飽和した現代ではある程度戦略も無ければならない。そして、戦略を定めるには目標が無ければならない。


僕は、自分が何をしたいかということを「恥ずかしがっている」のだ。

創作物には自信があるような毛皮を被っていて、その実剥がせば腰の曲がった小心者が潜んでいる。それが野望を残骸にして吐き出し続けている化け物の正体なのだ。実らなくてもいいよね、周りに豪語してないし、という保身だけがここにはある。だから、何も意味がない。だから、本当に申し訳ないのだけれど、身勝手にもこの場を借りて、やりたいことをすべて宣言しておこう。野望をうちに溜めて燻ぶらせるくらいなら、空にでも放り投げて笑われてやろう。それくらいでいい。というか、この化け物を成仏させるにはその方法しかない。ようやくわかった。ようやくわかったよ。野望の正体は「曖昧な希望」で、残骸の正体は「言い訳」だ。これを討ち取るには、はっきりと、残酷なまでにはっきりと吐露するしかない。頭の中だけで完結させるのはもうやめよう。引き出しを開けよう。




ここまで読んでくれた方々、本当に貴重な時間でこんな長文をなぞってくれてありがとうございます。そして、可能なら次のページの目標のなぐり書きにどうか付き合ってほしい。お炊き上げといえばそうですし、自分の言い訳を無くすための言い訳といえばそうなります。でも、「つまらないものですが」と添えるとこれまた保身の鎧が増えるだけなので、はっきりと野望を明言しておこうと思います。この本は続きを書くかもしれないし、十話で終わりを迎えるかもしれない。それでも箇条書きの感情で恥じらいをかなぐり捨てないと、僕はもう立っていられないから。


だから、ここに宣言します。

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