魔法なんて嘘だ!!!

みけめがね

第1話 や☆ら☆か☆し‪☆た

寂れた宿で朝を迎えた。

窓の外には景色を反射して煌めく甲冑と紅のマントを纏ったフリッパー魔法王国政府公認の魔法使いがうろついている。

俺はフリッパーと敵対するバムソル大帝国から差し向けられたスパイで

王家の魔法の杖を奪った罪で指名手配されている。

魔法使いたちは上空からほうきに乗って

俺の顔の描かれたビラを散らしている。

「チッ…外は危険か…」

不審に思われないようにこっそりカーテンを閉める。

俺の目線の先には昨日王宮に忍び込んで

盗んだ

通称「未開の枝」(みかいのえ)

今回のミッションは魔法国の王子が

神事で使うとされる神器「未開の枝」を盗むこと

報酬は金貨500枚、一生遊んで暮らせる金だ。

「未開の枝」には魔法王国の秘伝の術が込められているらしい…

俺は思った。

(秘伝の術めちゃくちゃ気になる……!)

俺は30分の葛藤の末に「未開の枝」を手に取って見ることにした。

すると「未開の枝」からぺろっと何かが剥がれた。

「なんだこれ?」

と剥がれたものを確認しようとした瞬間

煌々とした緑色の光が溢れた

「うわやべっ、カーテン貫通したくね…?」

俺はすぐ異変に気づいた。

視点が低くなっている?

前髪が少し長くなっている気もする…

「え?」

声が確かに高くなっている。

「ウソだろウソだろオイ!」

俺は部屋の姿見を見て愕然とした。

俺は自分のタイプの清楚系黒髪ボフの美少女になっていた…

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