氷の惑星
青よりも薄く、水色よりも濃い、狭間の冷たい色の氷は光を乱反射させ煌めき、薄い水色の地面を濃い色へ染める。
空を優雅に舞う雪は白銀のパウダーの様だ。雪は空だけではなく木々までもを白く染め上げ、森は白銀の木々が密集した幻想的な森に変わった。
葉には飾りの様な氷柱がぶら下げられ、重みに耐えられない枝葉は少しずつ地面に雪を落としていった。
森を駆け抜ける生き物は全てふわふわな毛皮に覆われている。
氷に落ちる氷柱は甲高い透き通った音を奏で、それに合わせるように森の生き物達が鳴く。
小さな音は合わさり、いつしか大きな音を奏でる合唱団となった。
この惑星を駆け巡る風は白銀のパウダーを舞い上がらせ、木々の白さを盗み、氷の地を滑り、人々が吐く真っ白な息を掻き消し、冷たくなった風は全ての生き物を包み込み熱を奪う。
そんな生命の停止を促す様な氷点下の氷の惑星は、今日もしぶとく生きる生物達を見守っている。
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