裸足

 大事なものはみんな あの場所に置いて来た


 今 それを全部 取り戻している最中


 美しいものも 醜いものも


 善い事も 悪い事も


 真実も嘘も 僕の胸の中


 眠っていたもの そっと起こして


 裸足で旅に出る


 砂の熱さも 雪の冷たさも 懐かしい


 手に入れられなかったもの


 今 手に入れる


 罪の痛みさえも 傷付いた心の隙間埋めてくれる


 思うしかない自分


 言いたい事 全て言えるわけじゃない


 言いたい事 全て言えたわけじゃなかった


 でも僕には 遠くが見えていたから


 黙っていた


 誰も僕を責めはしなかったけれど


 誰も僕に教えてはくれなかった


 知らなかった 誰も


 僕にだけ分かっていた何かを




 本当に


 大事なものは いつもここにあった


 僕が生まれた その瞬間から


 歓びも 哀しみも


 幸せも 不幸せも


 愛も憎しみも 僕の胸の中

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