第2話 江越ガチャとウインナーズ打線の行方
――――――1回裏。
「1回裏、ウインナーズの攻撃。ワイヤローズの先発は山岡です。直近の試合の勝敗は、3勝0敗で無敗の記録を出しています。山岡のピッチングは、何と言っても縦スライダーでしょう。縦スライダーで何人の選手も苦しみました。そんな山岡、好投の調子は、ここワイヤローズの本拠地でも発揮できるかが先発投手の鍵となります。」
(山岡の縦スライダー以外に球種は他にもあるからむずいのよな)
(頑張れ!山岡!)
(でもなぁ、言うてまだ公式戦始まったばっかやからなぁ)
「打席には、奈良が入ります。マウンド山岡、奈良に対して1球目を投げました。見送ったストライク!151km/hストレート」
「山岡が奈良に対して2球目を投げました。見送った、ボール!、低めに外れて141km/h縦スライダー」
「山岡が奈良に対して、3球目を投げました。打ちました、ファールボール149km/hストレート」
「追い込まれました奈良です。山岡が奈良に対して4球目を投げました。打ちました、ショートゴロだ。ショートのゴンザレスが1塁に送ってアウト。ワンアウトランナーはありません!」
(まぁいつものって感じか)
(最近の奈良は、ここぞって場面の時に打つからなぁ~)
(さっきの縦スライダー、よくボールになるってわかったな)
(言うて、まだワンアウト目よ、おーん)
「続いての打席が矢沢です。矢沢が左バッターボックスに入ります。マウンド山岡が矢沢に対して初球です。1球目を投げました。空振り!150km/h、ストレートです。」
「山岡が矢沢に対して足を上げて、2球目を投げました!、打ちましたがファールボール」
「追い込まれています矢沢です。ノーボール、2ストライク、山岡が矢沢に対して、足を上げて、3球目を投げました。打ちました、1、2塁線破っていったあ!」
(よしよし、順調、順調)
(よくやった!)
(ひとまず安心)
(やーざーわ!やーざーわ!)
(あとは打線よ)
「1アウトランナー1塁、右バッターボックスに清宮が入ります。」
(きよみ~かぁ、頼むぞ)
(昨シーズン山岡から全然打てなかったからなぁ~)
(山岡最強、山岡最強、山岡最強)
「山岡が清宮に対して初球を投げる前に矢沢に1塁牽制球、タッチはセーフです。」
山岡がロジンを付け直す。
「山岡が清宮に対して初球です。足が上げて、ボールを投げました、打った!、清宮がバットを捨てたぁ!、センターへの大きな当たりだ!、打球はどんどん伸びていく!センターの佐々木が見送って、今っ!スタンドにぃ!入ったあぁぁぁ!!清宮の渾身の一発!2ラン!ホームラン!!」
宮田は興奮してマイクを握りで大きな声で喋った。
会場は、清宮が打った瞬間からどんどん声量がデカくなり、ボールがセンターの客席に入った瞬間「うおぉぉぉぉ!!!」と盛り上がった。
(ホームランキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)
(清宮、お前マジか)
(初球で2ラン放つかwwwwwww)
(嘘だろ?まだ1回よ!?)
(先制点が2ランってwwwww)
(負けましたbyワイファン)
「ウインナーズの先制点は、清宮の2ランホームランから放ちました。矢沢がホームベースに帰還、そして清宮もホームベースを踏んで帰還しました!2対0。清宮、今季第一号ホームランです!」
(初回からぶっ飛ばしていくきよみー流石っすわ)
(バットを捨てたのって入ることを確信したんだな)
(きよみーをうちのチームにくれ)
(嫌に決まってんだろ)
(FAしないでくれよぉぉ)
「キャッチャーの若槻が山岡の下に駆け寄ります。」
(山岡ぁぁぁぁぁ)
(若ちゃん....)
(これは相手が悪すぎた)
(どうせフライでアウトになるだろうと思ってましたすみません)
(ウインナーズの打者陣、当たれば一発がデカい選手多すぎなんよ)
「キャッチャーの若槻が元の位置に戻ります」
その後も試合は投手戦が続き、このままウインナーズが勝つ流れであった。しかし、野球の神様はそんな理想通りにさせてくれなかった。流れが変わったのは、7回表ワイヤローズの攻撃からであった。
「7回表、ワイヤローズの攻撃は、8番佐々木から入ります」
「投手は、上沢から田中に変わります。」
(あれ?田中を出すのはやない?)
(ここで?)
(え?)
(監督間違えた?)
(は?)
「私も抑えの守護神である田中が出てきたのは非常に困惑しております」
(だよな)
(なぜここなんだ)
(まだ早いよな)
(采配間違えてんぞ)
「マウンドは、田中、打席は佐々木です」
「田中が佐々木に対して、一球目を投げました、打ちました、高ーく詰まったあたり、右のスタンドに切れていきます。ファールボール」
「初球は、やや下の149km/hのストレートでした」
「ワン・ナッシング、田中が佐々木に対して2球目を投げました。見送ったボール。外に外れフォークボール145km/h」
「ワンエンドワン、田中が佐々木に対して3球目を投げました。打ちました、1,2塁間破っていったー!ここで佐々木が反撃のヒットを出しました」
(あ…)
(悲報、ウインナーズ負けフラグ立つ)
(何してんねん)
(田中なぁ、球種がなぁ)
「続いての打席は、9番 中川が左バッターボックスに入ります」
「マウンドは、田中、打席は中川。」
「田中が中川に対して1球目を投げました、打ちましたファールボール。141km/hカットボール」
「田中が中川に対して2球目を投げました、空振り!155km/hストレート」
「いい投げっぷりですけども、ちょーと不安ですね」
(わかる)
(やっぱり?)
(いやいや、そんなことはないでしょ)
「追い込みました田中です。ノーボール、ツーストライク。田中が中川に対して三球目を投げました、見送ったボール。高めの153km/hのストレートで外れました」
「ワンボール、ツーストライク、田中が中川に対して4球目を投げました、見送った、ボール。一塁ランナースタート、タッチは?セーフ!カットボールを投げましたがこれも外れました。」
(牽制なんでしないんや)
(牽制ぐらいせんかいアホ)
(マジさ....)
(やってるわこいつ)
「ノーアウト2塁、ボールカウントは、ツーボール、ツーストライク。田中が中川に対して5球目を投げました。打ちました、レフト方向の打球、松本の頭を超えて、フェンスに直撃したー!」
「セカンドランナーは、サードを蹴ってホームに帰ってくる!、その間に松本はセカンドに投げるが中川は、セカンドに到達!、タッチは?.....セーフ!反撃の一点はここに来ました2-1!」
(スゥ…)
(ビールはやめとこ)
(記憶無くしてもっかい見たい)
(まだノーアウトかよ)
「ワイヤローズの猛攻の始まりは、佐々木からでしたぁぁ!!」
(佐々木、神だな)
(このまま、行こうぜ)
(あと3点はほしいな)
(せめてアウト1つは取ってくんねぇぇ!!!?)
「田中は、変わらずピンチが続いています」
「続いての打席は、1番和山です。」
「マウンド田中、右バッターボックスは、和山です」
「田中が初球を投げます。打ち上げた、センター方向への打球です。高ーく詰まったあたり飛距離は十分、センターの矢沢が取ってアウト。1アウト」
(アウト1つ取るだけなのに時間かかりすぎや)
(これで「交代間違えましたてへぺろ☆」だったら許さんぞ)
(やっとか)
(でもなぁ、ワンアウト2塁なんだよな)
「相変わらず追い込まれています、田中です。この状況をどう切り抜けるか」
「続いての打席は、2番ゴンザレスです。右バッターボックスに入ります。」
「1アウト2塁、田中がゴンザレスに対して初球を投げました!見送った!ストライク!、155km/hストレートです」
「ノーボール、ワンストライク。田中がゴンザレスに対して2球目を投げました!、見送った、ボール。外角に外れて150km/hストレートです」
(おい、まさか、オールやけくそストレート勝負か?)
(いや、なんでここでマジのストレート出すんだ)
(そうなんだよ、ストレートだけは早いんよ)
(やばすぎ)
「ワンボール、ワンストライク。田中がゴンザレスに対して...3球目を投げました!打ちました、レフト方向の打球ですが、スタンドに切れていきます。ファールボール」
「ワンボール、ツーストライク。田中がゴンザレスに対して、4球目を投げました!、空振り三振!!最後はカットボールで相手を空振りさせました」
(よし、いいぞ)
(こぇぇ)
「続いての打席、3番森です」
(アッ...)
(察した)
(\(^o^)/)
(まだわからんやん)
「今、森が左バッターボックスに入ります。」
「2アウト2塁、田中が森に対して初球を投げます。見送った、ボール。129km/hカットボール。」
「ワンボール、ノーストライク。田中が森に対して2球目を投げました、打ちました、ファールボール。150km/hのストレート。」
「ワンボール、ワンストライク。田中が森に対して3球目を投げました。見送ったボール、内角の攻めましたが外れました。152km/hのストレート」
「ツーボール、ワンストライク。田中が森に対して4球目を投げました。打った、ライトへの打球ですが、後ろのスタンドに切れていきます、ファールボール。131km/hのカットボール」
「ツーボール、ツーストライク。追い込みました田中です。田中が森に対して5球目を投げました。見送った、ボール!、145km/hのフォークボールを投げたんですが、外れました。」
「フルカウント。田中が森に対して6球目を投げました。打った!、センターへの大きな当たりだ、勢いよくボールが飛んでいる、今!バックスクリーンに入ったぁぁ!!」
(あぁー)
(知ってた☆)
(勝ったあざすー!)
(うちの森はこうでないと)
「森の勝ち越し2ランホームラン!これで2-3」
「これには、田中も崩れ落ちます」
ホームランを打たれた田中は、すぐに立ち上がる
「おっと!ここで立ち上がったぞ!」
「続いての打席は、4番釘宮が右バッターボックスに入ります」
「田中が釘宮に対して初球を投げます。打った、セカンドゴロ、セカンドの奈良が一塁に送球アウト、3アウトです」
「7回表ワイヤローズの攻撃は、森の勝ち越し2ランホームランにより2-3となりました。」
8回裏-
「8回裏ウインナーズ攻撃は、3番上川、4番清宮、5番忠誠から入ります。ここで投手は交代し、谷川がマウンドに上がります。ここで勝ちこしすることができるか」
(頼むぞ...)
(打線冷え冷えにはならんでくれぇぇぇ)
(頑張れ!)
(行けるぞ、ウインナーズ)
「マウンドは谷川、打席は上川。谷川が忠誠に対して初球を投げました。打ちました、レフト方向への流し打ち。サードのゴンザレスが一塁に送球アウトです」
「続いての打席は、清宮です。右バッターボックスに入ります。」
「谷川が清宮に対して初球を投げました。見送ったボール。144km/hのフォークボール」
「谷川が清宮に対して2球目を投げました。打った、ライトへの打球です。高ーく詰まったあたり、ライトの中川が取って2アウトです」
「さぁウインナーズ攻撃は、ここまでとなるのか、それとも続くのか。続いての打席は、4番忠誠、5番虎井、6番松本、7番指名打者江越大我。江越のここまでの成績は空振り三振、見逃し三振、空振り三振となっています。江越ガチャはここまでか。新城監督が何故7番DHというスタメンを江越に与えたのか、僕にはよくわかりません。しかし、新城監督には江越に何らかの期待をしていて、今日の江越の結果が見えているのでしょう。それは、今シーズンのオフでウインナーズにトレードで入団し、キャンプでは、試合前の練習では新城監督は江越に付きっ切りだったのだから。監督は言っていました「守備は昔の僕を見ているようだった、僕が付きっ切りで教えて成長させて見せる。」と。それが今日にも出るのか、はたまた、次の試合で出るのか。それが今日の江越ガチャとなる鍵でしょう」
(おい、泣くぞ)
(主も期待してるのか)
(江越よ....)
「2アウト、ノーラン。右バッターボックスには、忠誠が入ります。谷川が忠誠に対して初球を投げます。見送った、ストライク。149km/hのストレート。」
「ノーボール、ワンストライク。谷川が忠誠に対して第2球目を投げました、打ちました!1,2塁線破っていったあぁぁ!!ようやくここでヒットが出ました!、ここから反撃の一発が出るか!?」
(まずはヒットが出た。あぶねぇ)
(まずわね)
(油断できねぇ)
「続いての打席は、5番虎井です。右バッターボックスに入ります。谷川が虎井に対して初球を投げます。見送った、ボール。143km/hのフォークボール外角に外れています。」
「2アウト1塁、ワンボール、ノーストライク。谷川が虎井に対して第2球目を投げました。打ちましたがファールボール。150km/hど真ん中ストレート」
「ワンボール、ワンストライク。谷川が虎井に対して第3球目を投げました。見送ったボール!151km/hのストレート、内角を攻めましたが外れました。」
「ツーボール、ワンストライク。谷川が虎井に対して第4球目を投げました。打ちましたがレフト方向への打球。スタンドの中に切れていきます。ファールボール。145km/hのフォークボール」
「追い込まれました虎井です。ツーボール、ワンストライク。谷川が虎井に対して第5球目を投げました。打ちました、センター方向の打球で、センターの守備の前に落ちました!センター前ヒットッ!」
(nice!)
(いいぞ!)
(がんばれ!)
(きたきた!)
「2アウト2塁、1塁、ここでウインナーズ、チャンスが回ってきました。ここまで強力な打線ですが、この後の打線もまだ続きます。」
「続いての打席は、6番松本です。谷川が松本に対して初球を投げます。見送った、ストライク!。139km/hのスライダーで決めています。」
「谷川が松本に対して第2球目を投げました。見送った、ボール!。145km/hのストレート」
「谷川が松本に対して第3球目を投げました。見送ったボール!146km/hのストレート、下に外れました」
「ツーボール、ワンストライク。谷川が松本に対して第4球目を投げました。見送ったボール。145km/hのストレート」
「スリーボール、ワンストライク。谷川が松本に対して第5球目を投げました。見送ったストライク。140km/hのスライダー」
「フルカウント。谷川が松本に対して第6球目を投げました。打ちました、ファールボール。」
「谷川が松本に対して第7球目を投げました。打ちました、ライトへの強いあたりですが、ファールボール。だんだんピントが合っていくようになってきました。
「谷川が松本に対して第8球目を投げました。打ちました、ライトへの打球。スタンドの中に切れていきます。ファールボール」
「谷川が松本に対して第9球目を投げました。打ちました、ライトへの強い打球ですが、これもファールボール。これ以上、アウトにはすることはできません。」
「谷川が松本に対して第10球目を投げました。見送ったボール!フォアボール!」
(よくぞ粘った!)
(nice選球眼!)
(よしいいぞ!)
(満塁キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)
「ここでウインナーズ8回裏、2アウト満塁の場面が出てきましたぁ!」
「今、ウインナーズの応援はこれ以上の無い、大声援となっています!そして今、ワイヤローズの投手コーチがマウンドに駆けつけ、内野陣、キャッチャーも投手の元にに駆けつけています。」
「続いての打席は、7番江越。右バッターボックスに入ります。」
「さぁ、江越よ。ここがお前の番だと言わんばかりにミス、見逃し、空振りが一つ許されない試練が野球の神様によって与えられました。会場内は、チャンステーマが鳴り響いています。そんな江越、勝ち越し点を挙げることができるか」
(いけぇぇぇk!!!)
(えーごーし!)
(えーごーし!)
(空振りと見逃しはあかんぞ)
「2アウト満塁。谷川が江越に対して初球を投げます。見送った、ボール!155km/hの高めのストレート」
「ワンボール、ノーストライク。谷川が江越に対して第2球目を投げました。見送った、ボール!149km/hのスライダーで外れました」
「ツーボール、ワンストライク。谷川が江越に対して第3球目を投げました。打ちました、レフトへの強いあたりですが、ファールボール」
「ツーボール、ツーストライク。谷川が江越に対して第4球目を投げました。打ちました、ライトへの打球、これもファールボール」」
「ツーボール、ツーストライク。谷川が江越に対して第5球目を投げました。打ちましたファールボール」
「さぁ、江越、ここで一発が出るか!。谷川が江越に対して第6球目を投げました。見送った、ボール!155km/hの内角ストレート。nice選球眼!」
「谷川が江越に対して第7球目を投げました。打ちましたファールボール。」
「ここまで粘り続けている江越、ここまで投げ続けている谷川。この勝負はどちらが制すか!」
(しかも、同い年だもんあぁ)
(この勝負、激熱)
「谷川が江越に対して第8球目を投げました!。打ちました!ライトへの強いあたりだ、勢いと高さは十分だ、江越の打球どこまで行く!!!ライトスタンドに入ったぁぁぁぁぁ!!!、江越、新城監督の期待に応えました!!!江越大我、今シーズン初!満塁!ホームラン!!!」
(え?マジで?)
(江越ぃぃぃ!!!!)
(トラファンのワイ、江越の満塁ホームランに涙)
(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)
(ガチ?)
(今シーズン初ホームランがこれだと?)
(とんだバケモンがきたな)
(よし、今日は祝杯だ、ビール用意しろ)
「今、忠誠、虎井、松本、江越が帰ってきましたぁぁぁ!!」
「これで6-3、一気に3点リード!」
「そしてここで谷川がマウンドおります。ベンチにはたくさんの仲間が谷川の背中をさすっています。相当悔しいというのがうかがえます。」
「ここで投手は交代して、椎野。」
「続いての打席は、ここで代打細井です。左バッターボックスに入ります。椎野が細井に対して第1球目を投げました!打ちました!ライトへの打球、高ーく詰まったあたり、ライトの和山がボールを掴んでアウト。3アウトです。8回裏ウインナーズ攻撃は、5番忠誠からのヒットに始まり、7番江越の満塁ホームランで勝ち越し点をあげて3点リードの6-3を広げました」
その後、9回は両チーム一歩も走者を出さない投げ合いでウインナーズは勝利した。
次回 江越ガチャの江越視点
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