ヤンデレにヤンデレ返ししてイチャイチャする短編集

鏡華

監視には監視を

主人公 佐々木真悠ささきまゆ(発想以外は)普通のJK。ヒロインから常に監視されていて、その状況を打破するために練っていた計画(ヤンデレ返し)を実行する。


ヒロイン 神田詩穂かんだしほ監視系のヤンデレ。具体的には対象の行動の全てを監視する系のヤンデレ。浮気してないか心配だからね、しょうがないね。

元々は引っ込み思案の大人しい少女だったけど主人公のヤンデレになってから行動力と思考がぶっ飛んだ。

─────────────────────────


「おはよう!」


「う、うん。おはよう……」


朝、目が覚めると同時に真悠はこちらをジッと見つめてくる詩穂と目が合う。

それは真悠にとって見慣れた光景だが、未だに恐怖が感じられる。


詩穂は真悠が浮気していないか心配で、トイレに行く時も寝る時も一日中監視し、GPSや盗聴器をカバン等に仕込んだり、出掛ける時はストーカーする等をし、真悠が浮気していないか徹底的に監視していた。


「その…ずっと見てて飽きないの?」


「?飽きる訳ないよ!だってすっごいかわいいんだもん」


「そ、そっか」


「朝ご飯できてるから!一緒に食べよ!」


「うん」


(今日こそ…今日こそ絶対に変えるんだ!)

真悠は朝食を食べている最中もこちらを見つめてくる詩穂に怖がりながらも現状を変える為に意を決する。

そして──


「ふー…よし。ね、ねぇ、詩穂」


「なぁに?」


「詩穂ってさ、ずっと私の事見てるじゃん。それって心配だから、だよね?」


「そうだよ?なに?嫌?でもでもしょうがないんだよ。だって目を離してる内に浮気しちゃうかもしれないじゃん。真悠ってさすぐ人に優しくして誑し込むよね?だから浮気しないようにずっと見てなくちゃいけないの」


真悠はハイライトの消えた目をしながら息継ぎもせず高速詠唱する詩穂に気圧されながらも自分の意志を伝える。


「私も…私も不安なの!」


「えっ…?」


予想外だったのか表情が一変し、ハイライトの消えた無表情からきょとんとした表情に変わる。

真悠はこれを機に一気に畳み掛ける。


「詩穂は私のこと見てるけど私は詩穂のこと見れないよね?だから、その間に浮気してるんじゃないかって!」


「そ、そんな訳ないよ!私は真悠が大好きだし真悠以外を好きなることなんて絶対にないよ!信じて!」


「私も信じたいよ?けどね信じられないよ。だから、良い方法を思いついたの」


「なに!?なんでもする!信じてもらえるならなんだってするよ!」


「私も詩穂と同じことするの」


「ど、どういう…こと?」


「学校に行ってる時も、寝てる時も、トイレに行ってる時も、出掛けてる時も、ずっと一緒に居るの。」


「そ、そんな事でいいの?ずっと一緒に居てくれるの?分かった!やる!」


(よしっ、これで多分大丈夫)


詩穂は怪訝そうな表情をしながらも納得し、自分が何をしたか理解していないのか嬉しそうな表情を浮かべる。

真悠は自分の作戦がうまくいき心の中でガッツポーズをする。

そうして、ヤンデレ返しをする日々が始まった。



目覚めた時も

「な、何だか見つめ合ってると恥ずかしいね」


「私は詩穂と見つめ合えれて嬉しいな」


「わっ、私も嬉しい!」


朝食の時も

「ま、真悠は食べないの?」


「うん、詩穂が食べてるのを見てたいから」


「ちょっと恥ずかしいなぁ」


トイレの時も

「ほ、本当に見てるの?」


「だって詩穂も見てたでしょ?」


「あうぅ…そう、だよね、私も…したんだから……やっぱり恥ずかしいよぉ…」


学校の時も

(すっごい真悠に見られてて恥ずかしくて集中できないよぉ…)


(恥ずかしがってる詩穂もかわいいなー)


昼食の時も

「あーん」


「あーん!」


「美味しい?」


「うん!真悠もあーん!」


「あーん」


家でくつろいでる時も

「そんなに見てて飽きないの?」


「飽きないよ。だって詩穂はかわいいもん」


「えへへ、真悠もすっごいかわいいよ!」


寝る時も

「抱きついてて暑くない?」


「暑くないよ。真悠のあったかさを感じられて嬉しい、ずっと、こうしてたいな」


「そっか」



それから一月程経過したが最初は恥ずかしがっていた詩穂も慣れてきたのか普段通りの態度に戻っていた。

そして、そろそろかと思い真悠は話を切り出した。


「ねぇ、詩穂」


「なぁに?」


「私さこうやって過ごしてね詩穂の不安が分かった気がする」


「私も、ちゃんと真悠が私だけを見てくれてるって分かった安心した。それとね、GPSとかはちょっとやり過ぎちゃったかなって反省してる。ごめんなさい」


「いいよ。詩穂がああやって監視する気持ちも分かったし。これからはもうちょっと目を離してみる?」


「でも、ずっと一緒に居るからそんなに関係ないね」


「うん、それもそっか。じゃあ、改めてよろしくね」


「よろしくね!」


そうやって笑い合った時の笑顔は人生で一番の物だった。


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こんなヤンデレやって欲しい!

こんなヤンデレもあるぞ

等の意見があったらぜひ感想か作者のTwitterのDMに送っていただけるととてつもなく助かります。


やっぱり結末はハッピーエンドが1番です。

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ヤンデレにヤンデレ返ししてイチャイチャする短編集 鏡華 @kei_usshy

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